明鏡   

鏡のごとく

「土筆」

2018-03-27 21:07:19 | 茅葺
皆の車を見送った後。

石の向こうの土の上に。

一本の土筆が突っ立っていた。

その土筆と目があったような気がした。

昨日まで気づかなかった。

いつの間にか大きくなって。

土筆が突っ立っていた。

ここにいるよと。

無言のまま。

土筆は突っ立っていたようなのだ。

見えない春が土をこじ開けて出てきたような。

見えない土手の向こうをふく風と。

小躍りしながら出てきたようなのだ。

土筆を連れて帰っては。

春と一緒になるように。

土筆の春を食べるのだ。

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