明鏡   

鏡のごとく

「スケッチ」

2017-04-18 21:53:23 | 詩小説
スケッチをしなさい。構造が分かるから。

Nさんに言われた。

描いてみた。そのものの全てではないけれど、そのものを線で愛でるように描く。

そうして、いつか、その形を作り上げていくのだ。

いろいろな形を描く。

いろいろな角度から。

いろいろな線で包み込みながら愛でるように。

心を失わないようにするために

2017-04-17 21:33:15 | 詩小説


心を失わないようにするために
例えば水たまりの水を流すように溜まったものを膿むのではなく
頭上から落ちてきた一本の茅をすくい上げるように集めること

例えば天上から雷が落ちてきた震音を聞いても
どこに落ちたかわからないように
私たちは肌で感じながら生きてはいたが

知らない世界がつながっていくように
赤い太陽が沈む頃
家に帰り着くのだ

山の中にいながら
山の向こうを見るように
奥の奥をのぞむものなのだ