さて!
それでは1周年記念第1弾、『食戟のソーマ』単行本第4巻感想です!
よ~~~やくUPできることに感無量(苦笑)。
さてさて、それでは久しぶりにいってみましょう!!
前巻から約一か月後にあたる、2013年9月4日に発売された第4巻。
やはり驚くべきこの刊行の早さは、前巻の強烈な「引き」に悶絶する単行本派の方々に配慮してのことだったのでしょうか?(苦笑)
そんなこの第4巻は、第22話【卒業生達】~第30話【想定の陥穽】までの九話分が掲載です。
≪表紙≫
レギュラー陣3名もそれぞれ表紙を飾り終え、次からは誰が抜擢されるのか楽しみにしていた今巻の表紙。
選ばれたのは丼研部員、水戸郁魅!(&小西先輩)。
登場順から考えれば一色先輩ら極星寮のメンバーかな?とも思っていたのですが、この選出もこれはこれで妥当ですね。極星寮のメンバーは、まだまだ明かされていないものがありますし。
見事なブロンドとグリーン・アイ。そして褐色の肌。
そんな郁魅は、タクミと同様ハーフに違いありませんね。
アメリカナイズな服装から見て、親の片方は多分アメリカ人なのでは。
丼研部室でのこの一枚。
似たようなシチュエーションのカラーイラストが第16話の扉絵にもありますが、個人的にはこっちの方がスタイリッシュで好きですね。(郁魅もより美人さんに描かれてるし♪)
右手にカツ丼、左手にステーキ丼を持ちながら闊歩している郁魅。
その後ろでは牛丼を試食している小西先輩が。
郁魅は自分の得意分野である「肉」を活かした丼物の開発を主に担い、そして彼女の開発した新メニューの味見係を小西先輩が務めている模様。
最初はどうなることかと思ったけど、結構上手く切り盛りしているようでなにより。
気が強いけど本当は純情な郁魅と、ヘタレだけど人の良い小西先輩は中々良いコンビです。(^^)
≪裏表紙≫
前巻が「アレ」だったので、少々怯えつつ(笑)カバーを捲ってみたところ、そこに描かれていたのは、今巻で恵&創真と対決した『四宮小次郎』。
確かにこの巻の裏表紙に最も相応しい人物ですね。
表紙に取り上げたら、他の準レギュラー陣を出し抜いてしまいますし(苦笑)。
やたらとカッコよくキメてる四宮。
そんな彼を裏で爆笑している、彼の後輩『乾日向子』サン。
そりゃあ、親しい知人がいかにも格好つけたポーズしてたら私も笑えてきますけども(爆)。
ナレーション:彼女は後で殴られます
ご愁傷様です。
≪附田先生コメント≫
出掛けなくてもいい日の雨はとても良いけど、出掛けられない日の晴れは損した気分になると仰る附田先生。
分かります。
そして、前々から楽しみにしていた外出予定日に台風でも来られた日にゃあ、お天気の神様を本気で呪いたくなります。
≪中表紙≫
さて、どんな郁魅が描かれているかな~?と、ページを捲ってみたらば。
ズガーーーン!!
なにこの可愛い子!!!
その可愛い子の正体は、制服を普通に着てうずくまっている郁魅ちゃん!
表紙の毅然とした微笑も良いけど、やっぱりこういう“女の子”な表情も凄く可愛いですね~。
「恋する乙女は綺麗に(可愛く)なる」とはよくいったもんです☆
≪特別付録≫
今巻で紹介されているレシピは、これまでの中で一番充実したラインナップかもしれません。
それぐらい津々浦々な料理が満載。
それと同時に、附田先生による各キャラクターのコメントも中々楽しいものとなってます♪
まずは66ページに四宮のレシピ[シュー・ファルシ]が。
四宮のコメントに、後ろで余計なことを言ってる乾サン。
ナレーション:彼女は後で殴られます
でしょうね。
186・187ページには、恵のレシピ[虹のテリーヌ]。
四宮&乾のどつきコンビとはうって変わって(笑)、こちらは恵&創真が仲良く並んでご紹介♪
創真が言ってる通り、2ページに渡る大ボリュームのレシピ内容。間違いなくこれまで紹介された中でトップの手の込んだ料理です。
本編では鶏レバーを「つなぎ」として用いていましたが、それは手に入りにくいということで卵で代用されていますね。(レバーは人によって好き嫌いも激しいでしょうし)
続いて188ページからは、今巻後半から始まる朝食ビュッフェ課題での、それぞれのレシピが掲載。
タクミのレシピは[インサラータ・フリッタータ ~アルディーニ風~]。
タクミの後ろで舌鼓を打ってる創真にほっこりv
次に紹介されているのは[田所ちゃんの朝食おでん]。
ここでは、この料理で恵のファンになってしまった(笑)『ナチュラルチーズの久作』さんのミニプロフィールが。
う~ん、なんともダンディな趣味をお持ちで☆
そしてラストはえりなの[女王のエッグベネディクト]が。
このレシピを見て初めて気付いたのですが、この料理って具・土台・ソースと全て卵が使用されているのですね。
うっわコレステロール高そう~と思ったのはここだけの話(爆)。
今巻はシリアスな話が全体を占めていた分、挿絵に息抜き感がありました。
26ページには、第22話で縛られていた乾サンの舞台裏が。
首から下げていた「ただの観客」プレートは段ボール製だったのですか、なるほど。
それにしてもホント、このコンビは見てて面白いなあ~。
46ページには、前話で創真が宣言していた“食事処たどころ”のロゴマークが掲載。
グッジョブ☆
86ページには、投票で用いられたコインのアップ。
卒業生達がイメージしていた「妖怪田所ちゃんシリーズ(笑)」は、ミニぬいぐるみとなって106ページに。
商品化は未定とのことですが・・・。
にしては、説明書きがリアルすぎ(笑)。
こんな感じの創真くんのミニぬいぐるみも出てくれないかな~v
そして126ページには、椅子に腰かけ読書をしている若かりし頃の四宮が。
当時はこんな穏やかな表情も出来たのですね。
そしてこれからは、またこういう表情が見られることでしょう、きっと。
勇者ユウキ再び!
146ページには、80食チャレンジ中の悠姫脳内イメージが披露されてます。
前回はド●クエ風でしたが、今回は更に進化してファイ●ルファン●ジー風に(笑)。
お~相手をオーバーキルで一刀両断☆
悠姫ちゃん・・・強くなったねえ・・・。(しみじみ)
お次は、この前話にあたる第29話の扉絵で、「スー●ーストリート●ァイターⅡ」のコスプレをさせられちゃった恵ちゃんの余談が166ページに。
最初はどのキャラの恰好なのか分かりませんでしたが、“三つ編み繋がり”ということでキャミィの模様。
ということは、創真は“鉢巻き繋がり”ということでリュウ。
吉野は“お団子ヘア繋がり”ということで春麗かな。
素肌見せまくりな服装に、方言丸出しでうろたえてる恵ちゃん。もうお母様に顔向けできません。(by第7話)
後ろの2人はめっちゃノリノリだけど。
ラストの191ページにも、同ゲームのコスプレをしているその他の皆さんが。
タクミは“ライバル繋がり(?)”でケンの恰好を。
イサミは“太っちょ繋がり(爆)”ということでエドモンド本田。
全く分からなかったのが郁魅のコスプレ。
調べてみたら、「ストリー●ファイターⅢ」に登場するエレナというキャラクターだそうで。(「スト●ートファイター」は「Ⅱ」までしか知らない栗うさぎ)
これは“褐色肌繋がり”ですね。なるほど、まさに郁魅にピッタリです。
それにしても後半は随分とゲームネタが多かったなぁ・・・。
面白かったけどね♪
≪佐伯先生コメント≫
上野動物園に奥様と行ってこられた佐伯先生。
ご自宅でもフェレットを飼っておられるし、佐伯先生は動物好きなようですね。(^^)
そこでリスさんを撮影。
これがもう、見事としかいえない真正面。
不動明王の如く全く動かなかったという、このリスさん。
よっぽどサービス精神に溢れていたのか、目の前の佐伯ご夫妻に目が釘付けだったのか(笑)。
前巻ラストで衝撃的な口火を切った四宮編。
この第4巻の前半にて、その続きが織り成されます。
そして後半からは合宿の次なる課題である、朝食ビュッフェ編に入っていくことに。
では、今回のキャラクター考察は創真の初めてのライバルである『タクミ・アルディーニ』について・・・、と思ったのですが、それはまたの機会にて(笑)。
今回は前巻から新しく登場した、遠月学園卒業生達の面々について述べていこうかと思います。
合宿のゲスト講師として招かれ、創真ら学生達を自分の店の従業員とみなして様々な課題を出してくる卒業生達。
そんな卒業生達の代表格が、『堂島銀』先輩。
「遠月リゾート」の総料理長兼取締役会役員であり、在学時は主席かつ卒業試験も歴代最高得点で突破したというエリート中のエリート。
他の卒業生達も彼には一目置いており、その経歴に違わぬ迫力と威圧感、そしてマッスルボディをお持ちな人物です(笑)。
その迫力故に怖い印象を受けますが、話してみると結構気さくで誠実な好漢だったり。
ですが、やはり人の上に立つ立場だけあって、厳格で公正、そして相当な洞察力と思慮深さを持つ人格者です。
その卓越した手腕は、四宮編における影の導き手として非常に大きな役割を果たしてくれました。
城一郎やシャペル先生もそうですが、この作品に登場する大人は人間として相当な“格”を持った方が多いと感じている私。
そして、創真はこういった大人達に目をかけられている子ですよね。
あくまで公正に、時に厳しく、でも温かく。
直接的な助力はしないものの、遠くから成長を見守ってくれている彼ら。
そういった大人達がいてくれること。とても大切なことだと思います。
いくら凄い実力を持っていても、しっかりした考えをもっているとしても、創真達はまだ「子ども」。
無限の可能性と共に数多の危うさも持つ存在です。
その「子ども」が安心して自分の道を歩むには「大人」の支えが不可欠。
創真達各々のキャラクターが真っ直ぐに自分の道を歩めているのも、こういった大人達の影なる働きがあるからこそと思います。
そして、四宮編の裏の主役であった『四宮小次郎』。
鋭い嗅覚を持つ、パリのフランス料理店「SHINO’S」のオーナー・シェフであり、日本人初の「プルスポール勲章」を受章という、卒業生陣の中でも抜きん出た経歴の持ち主です。
ですが、性格は非常にプライドが高く傲慢、言動も嫌味で融通のきかない頑固者という問題人。
そして。
附田先生のキャラクター作りの「妙技」が最も発揮された人物でした。
前巻では見事なまでの悪役という印象しか無かった彼ですが、今巻での乾ら卒業生とのやり取りや過去描写によって、マイナスな印象が完全に消し去られてしまうことに。
横暴としか言えないその判断・言動を取ったのは何故か。その地に足の着いた理由。
読者を充分納得させるだけの説得力と共感性があったその描写は、とにかく見事としか言いようがなく、ひたすら感嘆するばかりでした。
もうこれからは附田先生のこの「妙技」を「附田マジック」と呼ばせて頂きます。
そしてそんな四宮といい掛け合いをしていた『乾日向子』。
四宮の一つ下の後輩で、日本料理店「霧のや」を営んでいます。
基本的にはマイペースでおっとりした性格ですが、在学時には「霧の女帝」と呼ばれて恐れられ、料理に関しては冷徹な一面も。
その二つ名と日本料理店を営んでいるという点から、得意分野は蒸し物あたりだったのでしょうかね?
子供っぽい面があり、特に四宮の前ではちょくちょく余計な事を口にして、どつき漫才を繰り広げています(大笑)。
恵を気に入っており、堂島先輩と一緒に恵の退学について考え直すよう四宮に進言するなど、偶然とはいえ彼女も裏の功労者だったり。
ギャグキャラ的印象が強いですが、創真とタクミとの勝負や四宮と恵&創真との食戟の結果を預かったりと、さりげに度量の大きい人物です。
『水原冬美』は四宮と同期で、イタリア料理店「リストランテ エフ」を経営。
表情豊かな乾に対し、水原は基本的に無表情でクールな性格。
発言も多くはありませんが、四宮には結構皮肉を飛ばしていたり(笑)。
自己主張をしていないように見えて、椅子に両膝を立てて座るなど、言葉ではなく仕草でその存在を主張していた独特の個性を持つ人物です。
四宮と水原が同期なら、乾と同期ももう一人。
それが『ドナート梧桐田』。
彼もまたオーベルジュ「テゾーロ」のオーナー・シェフです。
ちなみに、「オーベルジュ」って何ぞや???だった栗うさぎ(爆)。
調べたところ、郊外や地方にある宿泊設備を備えたレストランとのこと。
少々キザな性格で、乾と同様に初見から恵を気に入っていましたが、食戟で水原・関守と共に審査員を務めた際には私情を挟まず判定を下すという、公正な面も。
そんな彼らとは違う世代の卒業生が『関守平』。
「銀座ひのわ」という寿司店の板長です。
世代が違うためか乾や水原、梧桐田よりは四宮や創真達とあまり関わってきませんが、彼らより年配者なだけあってその思慮は深く、堂島の思惑を理解し賛同してくれるという良い補佐的キャラでした。
それぞれしっかりとした個性を持っていた、これら卒業生達。
このまま合宿編のみのゲストキャラで終わってしまうのは勿体無い人達ばかりです。
遠月リゾートの役員であり、次巻で更なる伏線も張られることになる堂島先輩は間違いなく再登場してくれるでしょうが、個人的には四宮と乾の再登場も願ってますね。
四宮は改心して嫌悪感の無いキャラになってくれたというのも大きいですが、今の時点で城一郎に次いで“外の世界”を知っている人物ですから。
今回は「壁」となって創真と恵の前に立ち塞がった彼ですが、もしまた出会えるならば、今度は彼らの成長を促す立場になってくれそうです。
乾は四宮とセットにすると面白さ倍増になるので、おまけとして(笑)。
前半を飾り、この第4巻のメインでもあった四宮編。
この章の「裏の主役」が四宮ならば、「正当な主役」は恵でした。
本当は確かな実力者であったにも関わらず、精神面が原因で周囲から「落ちこぼれ」と見られていた恵。
第2巻収録の第14話【恵の庭】で明かされたその事実を踏まえつつ、創真の支えを受けながらも「自分らしい料理」と向き合った彼女。
重圧、緊張、劣等感。
そういった“自分を縛り付けていたもの”から解き放たれ、自分に最も欠けていた「自信」を取り戻していく様は、四宮の過去描写と同じくらい感慨深いものがありました。
そして実力を認められた恵は、堂島先輩から自分の料理の才に称号を授けられることに。
それは「心遣い[ホスピタリティ]」。
創真・えりな・恵といった、主要人物三名。
彼らは、それぞれの才能に伴った「自分の料理」ヘのポリシーを持っています。
創真は柔軟で自由な発想から、「無限の可能性」そして「失敗からの学習」。
えりなはその[神の舌]と立場から、「完璧」と「高級」。
どちらも“道”を極める上で大事な信条だと思います。
ですが、彼らにとって、お互いのこの信条は見事に相反するものとなっているのですよね・・・。
創真の料理の信条は「無限の可能性」。
それはすなわちどんなに工夫を凝らした料理でも、必ずどこかに伸びしろがあるということ。100%は無いということです。
そして、失敗もまた、己を成長させる大切な糧と思っている創真。
対してえりなの料理の信条は「完璧」。それは100%ということ。
逆に言えばそれ以上の可能性は無いということです。
それは同時に「失敗」も認めないということを意味しています。
そして「高級」もまた、親しみやすい庶民的な料理を基本とする創真の姿勢と対極するものに。
それぞれの、料理への譲れぬ信念。
この点もまた、創真とえりなの対照性を示す重要なポイントとなっています。
そんな二人に対し、恵は食べる相手への思い遣りからの「心遣い[ホスピタリティ]」。
創真とえりなの信条が“上”を目指すためのものなら、恵のこの信条は全ての“土台”となるもの。
自分の料理を食べてくれる相手への気遣い、心配り。
物作りの基本概念であり、私が料理、ひいては「食」において最も大切と考えているものです。
恵の才能にこの名称が名付けられた時、私の中で恵の潜在能力の高さに確信が持てました。
そしてこの「心遣い」は、さり気に創真も持ち合わせています。
相反する信念を持つ創真とえりな。
信念を共通する創真と恵。
“料理”というこの作品の核を通して、ここにも三人の関係性が示されています。
「自信」、「心遣い」と、非常に大きなものをこの四宮編で得た恵ですが、それと同じくらい、いえ、それ以上に印象的に描かれていたのが「創真との絆」。
まず間違いなく、この四宮編が恵の創真に対する思いのターニングポイントと言えるでしょう。
力を貸してくれて。
心強く、温かく励ましてくれて。
何より、自分でさえも信じられなかった「恵自身」を信じてくれた創真。
そんな彼への大きな感謝は、これから後の展開における重要な伏線として張られることに。
そしてこれ以降、恵の中で創真の存在が“特別”になりつつあるのを匂わせる描写が、度々見られるようになります。
そんな二人の絆の象徴として、この四宮編で生まれたのが、「合掌パチン」のおまじない。
「手」が陰なるキーポイントである今作において、この仕草は非常に大きな意味を持つものと考えています。
合掌する手を挟み叩くこの行動。
重なる手。
創真&恵派な私としては、この「おまじない」を再び二人が交わす時がくるのを、心から待ち望んでいます。
そして、この四宮編では主に補佐役に回りながらも、しっかりとその存在感を発揮していた創真はまさに「真の主役」といえましょう。
四宮に最も強く反映されていた「附田マジック」ですが、それは創真も負けず劣らず。
生意気なまでに自信満々かつ大胆不敵。
それでありながら飄々としていてマイペースなため、掴みどころがあまり無い。
そんなこれまでの異端的主人公像から一転。
前巻にて彼の内面が色々と明かされましたが、それはまだ序の口だったことを思い知らされます。
特筆すべきはその優しさ。
徹底して相手を思い遣るその姿勢は、優しすぎると言っても過言ではありません。
それだけではなく、面倒見が良く、非常に頼り甲斐があり。
その上誠実な漢気も持ち合わせているという。
少年漫画の主人公像として超正統派な内面が、「もう一つの実力」と共に明かされることに。
内面的キャラクターが露呈され、一気に魅力が高まった創真。
ですが。
それと同時に見えてしまったのが
彼の「危うさ」。
本当はいつだって本気なこと。
非常に負けず嫌いでプライドが高いこと。
真っ直ぐな強い意志をもっていること。
これまで、その表面的性格から自分本位な子と見られていたかもしれませんが。
とんでもない。
この子
もの凄く
自分に厳しい子です。
四宮と共通する部分もある、彼のこの「危うさ」。
ですが、かつての四宮が持っていなかったものによって、創真は救われます。
それが「仲間達との絆」。
創真が作り出す「絆」。それによってまた、彼自身も助けられる。
この相互関係もまた、この巻で明るみに出た「少年漫画の王道の魅力」ですね。
“痛み”を伴った危うさと共に明かされた、創真の内面。
裏表が無い人柄にも関わらず、表面的性格と内面的性格の大きな違い。
本当に、初めてです。
これほど“絶妙”なキャラクターに出会ったのは。
この四宮編を皮切りに、創真のイケメン度は底無しで深まり、格好良さは天井知らずで上昇していくことにvvv
四宮編を通して、『食戟のソーマ』というこの作品の真髄が発揮されていた、第4巻。
この四宮編にて最も感嘆させられたもの。
その一つが上記で述べた、深いキャラクター描写。
そしてもう一つが、徹底的に練りこまれた脚本(ストーリー)です。
筆頭に挙げるべき点は、この章の中心人物であった四宮・恵・創真、その誰もが“格”を落とさなかったということ。
大抵の少年漫画は主人公に敵対する存在が現れた場合、「勧善懲悪」としてその敵対者は敗北、もしくは格が大幅に下がる傾向があります。
ですが、その傾向を見事に打破し、敵対者を敗北させないどころかイメージアップにまで繋げています。
それは、それぞれの背景、置かれた状況、心理描写を、誠実で公正な視点と考慮によって構築する巧みな技。
キャラクター一人一人を大切にする作品に、駄作はありません。
この四宮編で、脚本への信頼が揺るぎないものとなりました。
この作品の核である「料理」。
そこには「定番を外さない上での新しい工夫」という姿勢が常にあります。
それは、この作品も、主人公も同じでした。
「異端性の内にある真の王道性」。
第3巻、そしてこの第4巻を通して、この『食戟のソーマ』という作品を理解出来たような気がします。
これまでに無かった「深さ」や「巧みさ」が存分に味わえ、大変読み応えのある巻だったと思います。
ごちそう様でした!!!
≪今巻のベストシーン≫
81ページ
温もり。
≪今巻の“裏”ベストシーン≫
120&121ページ・・・1コマ目
そして、痛み。