週刊少年ジャンプ2014年25号掲載
掲載順第6位
第70話 【対極】
やっちゃいましたね佐伯先生。
なにがって、今回のセンターカラーですよ。
まさかの第28話夢オチ恵リターン。
しかもしかもそれだけではなく、創真・タクミ・葉山・黒木場らまで(滝汗)。
だけどこのイラスト、第一印象はかなり凄いものの、結構注目ポイントがちりばめられていますね。
まずはそれぞれが手にしている武器。
葉山はナイフ。これは第59話【それぞれの武器】で葉山の料理スタイルを“鋭き槍”と例えていたことから、「鋭い」繋がりでナイフにしたのだと推測。
そして黒木場はメリケンサック(ナックルダスター)、タクミはトンファー、創真はバットと、彼ら3人は共に打撃系の武器。
ですが、黒木場、創真、タクミの順に、より力任せのストレートな武器になっているあたり、彼らの料理スタイルの形が暗に示されていますね。
とりあえず、創真のバットが釘バットでなくてよかった(核爆)。
そして恵はチェーン。これは第28話の時と合わせてなのでしょうが、恵の料理スタイルは「心に沁みる」形なので、「心に沁みる→心を捉える→心に絡みつく」と繋げているのかな~なんて、やや無理矢理こぎつけてみたり。
それにしてもこのイラスト、本来のキャラクター像から考えれば、一番合わないであろう恵が一番ダークフェイスになってるのがまた何とも言えません。(^^;)
黒木場はもはや違和感皆無。(^^;A)
タクミや葉山は普通にカッコいいといった感じ。
そして創真が一番違和感があったというのがまた面白い点でした。
なんつーか・・・表情があまりにも「やらせ」感アリアリで、それが逆に違和感になっているんですよね。(ゲソ咥えてるのもひっさしぶりに見たなあ~/笑)
でもそれで良かったと。
だって・・・。
これで本誌で見せるようなダークフェイスだったら、ぶっちぎりでハマってしまっていたでしょうから。(核爆ドッカーン☆)
ちなみに私の中では、創真・タクミ・葉山・黒木場は非常に興味深いライバル関係になるだろうと予想しており、他のライバルキャラ(一色先輩等)とはまた違った形で特別視しています。
しかも彼らは作中でもトップクラスのイケメンということで、勝手に[イケメンカルテット(4人組)]とグループ名をつけていたり(爆)。
そんな彼らですが、このイラストのお陰で身長差が明らかに!!
どうやら 黒木場≧葉山>創真>タクミ のようですね。メモっとこ。((φ(..))
そして恵は、そんなイケメンカルテットと初めてコラボしたヒロインになったのですよね~・・・。
このイラストを見ながら、ふと頭に浮かんだのが
これがもしバンドグループだったらという妄想。
まず恵がボーカルで~。
黒木場はギター。(エレキギターガンガン弾きそうなイメージ/苦笑)
葉山がベースで~。
タクミはキーボードなイメージですね。
そして創真はドラム!後方に位置しているけど、実はもっとも能力を必要とし、バンドの礎的存在なところがピッタリ。(^^)
そんな別ジャンルにまで妄想がトんでしまいました(苦笑)。
もしアニメ化とかされたら、音楽関係のイラストを描いてくれる可能性もありますし、この妄想が現実になってくれるのを密かに期待することにします。
恵とイケメンカルテットとのコラボ。
やっちゃった感が物凄かったものの、反面かなり恵優遇なイラストでした。
さて本編。
黒木場と恵。
お互いのスープも出来上がり、ラーメン完成はいよいよ目前に。
そこへ、これもラーメンの醍醐味のひとつと言って、審査員らが間近で恵達の調理を見物し始めます。
確かにそうですけどね。
椅子に座ったままの高みの見物より、自分から近づいてより詳しく見ようとしてくれる審査員の方が、私としても好感持てますし。
審査員(特に「食の魔王」)の接近が、恵にプレッシャーとなるのではと危惧されたものの、恵はそれにも動じずに冷静に調理を進めます。
本当に立派になって・・・!!(><。)
審査員も来賓も、恵の綺麗なスープを始めとしたラーメンに興味を持ち、恵の方に良い空気が流れましたが―――
それを断ち切るかの如く鳴り響く、黒木場の「湯切り」。
実際有名なラーメン店でも、全身を使って勢いよく湯切りしているお店がありますものね。
素人なので全然分かりませんが、やはり湯切りの仕方一つで麺の仕上がりがかなり変わってくるのでしょうか?
その迫力ある調理アクションと、超意外なトッピングに、会場の注目は一気に黒木場の方へ。
そうして一足早く仕上げた黒木場が先攻となります。
黒木場のラーメン、それは「スープ・ド・ポワソンラーメン」!!
スープ・ド・ポワソン・・・!へ~初めて聞きました!
南フランスのスープとのこと。
ということはやっぱり。
そしていざ実食へ。
お爺ちゃまの食べる様が妙にリアルチックでちょい笑える。
リアクション無しでも印象的に見えるのは、やはり作画の基本クオリティが高いお陰ですね。
黒木場の「スープ・ド・ポワソンラーメン」、それは暴力的なまでに海鮮の旨さが凝縮された品でした。
そして先程、観衆の注目を一気に集めた要因の一つであった超意外なトッピング、それはなんとラスク!!
なんとも香ばしい仕上がりとなっていたラスクですが、それだけではなく旨味も。
ここで、前々回黒木場が豪快に砕いていたエビ類の殻の用途が判明。
それらは乾燥させて風味を倍増させた殻で、それをパウダー状にしたものをスープだけでなく、ラスクに塗ってあるエシレバターにまでふんだんに加えていたのでした。
※エシレバター・・・フランス中西部のエシレ村で、工房から30キロ以内の酪農家の牛乳しか使わないなどの伝統的製法を用いて作られる発酵バター。
ちなみに発酵バターとは、クリームを乳酸発酵させてから作るバターで、ヨーグルトのような軽い酸味と香り高さが特徴。
高級バターの代名詞。
・・・栗うさぎの予想・・・当たらずとも遠からずってカンジ?(←ハズレだっての)
和気あいあいと食べていた創真の弁当の時とは違い、脇目も振らず黒木場のラーメンを貪る審査員達。
これこそが、黒木場の「膂力の料理」。
ここからの5ページにかけて、私は声を大にして言いたい。
「食戟のソーマ」は料理の漫画です。
(ナレーターさんは、私にとってツッコミの師匠☆)
特に黒木場の見開きシーンは、第59話を彷彿とさせるほど「料理漫画」からかけ離れた描写でした。(お爺ちゃまが・・・/涙)
そして番長・・・もとい仙左衛門の反応は―――
ポージング無しの「おはだけ」披露。
観衆達はその反応に驚いていますが、私からしてみればだからどーしたと言いたい。
そ・れ・に。
創真の時だって、ポージング無しの「おはだけ」だったんですけど?
しかもいつの間にか脱いでいたという自然さだったんですけど?
おまけにラストまでずっと「おはだけ」状態を維持していたんですけど?
その回はアリスのリアクションにかなり持っていかれちゃってたけど、それを考えると仙左衛門の創真への評価はかなり高かったと言えるかもしれません。
仙左衛門が貴重なパターンの「おはだけ」を見せたことにより、会場の雰囲気は黒木場一色に。
そんな不利な雰囲気が濃厚な中。
場の空気に呑まれず、恵は自分の料理を完成させます。
さあ、次回はいよいよ恵のラーメンが明らかに!
そして、今回一言も喋らなかった創真。
出番も一コマだけだったけど。回想も一コマだけだったけど。
貴方のその温かい眼差しが見れただけで私は幸せです。
今回のセンターカラー・・・色々な意味で反響凄そうだなあ・・・。
というのはさておき。
料理で全てを屈服させ生きてきた男、黒木場リョウ。
これまで彼はタクミと同じ国籍タイプの料理人か、それとも葉山のような食材タイプか、果たしてどちらかと判別しかねていたのですが、今回でようやく断言できます。
黒木場リョウ、彼はフランス料理と海産物を得意分野とする、両刀使いですね。
うわ・・・これは・・・強い。
予選の際はナポレオン級のコニャック、そして今回はエシレバターと、さり気に高級品が使われている黒木場の料理。
葉山も入手困難なホーリーバジルを使っていたり、タクミもパルメザンチーズを使っていたりと、それぞれ自分の得意分野の食材を、しかも結構希少だったり個性的な物を使用しているライバル達。
そんな中で、食材は至って身近な物でありながら、アイデアと工夫だけでしっかりした個性を持った美味しい料理を創り出す創真はやっぱり凄いと思ったり。
「膂力の料理」によって、今回審査員達を屈服させた黒木場。
そして次回は満を持して、恵の「心の料理」が審査員達に振る舞われます。
恵はどんな麺を選択したのか、トッピングに使われたと思われる里芋や豆麩、キクラゲ等にどんな工夫を凝らしたのか、そして今回北条の協力は得ていなかったのか。
色々な気になる点は、全て次回明らかとなることでしょう。
巷では黒木場と恵どちらが勝つかで意見が飛び交っている模様。
確かに展開的に見るとどちらが勝ってもおかしくない流れですよね。
ここまで勝敗を読み辛くさせる話運びはさすがだと思います。
ですが、やはり私の予想は当初から変わりません。
それだけ、私個人が黒木場に一目置いているという事もあるのですが・・・。
今回、恵が敗北してしまう決定打が出てしまったと思うのです。
それは、ラストシーン。
恵の姿が創真のようだと言われたこと。
ええ!?何で!!??と思われるかもしれませんね。
はい、当然のことでしょう。
ですが、私はこう感じてしまったのです。
集中して自分の料理と向き合い、力を出し切った恵。
その姿を創真のようだと言われたわけですが・・・。
この秋の選抜で、創真はアリスとの対決の前に、葉山と予選で勝負していますよね。
そこで敗北を喫してしまったわけです。
自分の料理への信念と実力を出し尽くした料理だったというのに、僅かとはいえ相手に及ばなかったという事実。
この敗北によって、「今のままの自分のやり方だけでは、これから先通じない」と痛感した創真。
その悔しさや自分に足りない部分を、身をもって知ることになると思うのです。
今度は、恵が。
酷な考えだとは思っています。
ですが、良くも悪くも競争意識の低い恵には、対極な料理と考えを持つ黒木場と対戦したからこそ、「悔しさ」というものを知って欲しいと思うのです。
これから先、創真と共に歩んでいくためにも。