こくご食堂

小学生向けこくご塾を創業しました。[こくご]の楽しさを、様々な切り口から発信していきたいと思っています。

[いぶした金色]

2017-12-10 18:56:27 | アナウンサー教室
はじめまして。2018年、川崎で小学生むけ[こくご]を中心とした塾を創業予定のamimです。思考・発表・文章にする・を柱に、ディベート・俳句アクティブラーニング・ビブリオ・ロールプレイングなどを取り込んだ授業をします。ブログは毎日更新しています。思ったこと・体験したことなどを文章にすることは、すべて「こくご」です。

「こくご食堂」本日調理する食材は、[いぶした金色]です。

今日は、アナウンサー教室の日です。生徒達に滑舌がよく聞き取りやすい授業をするために通っています。毎週土曜の夜になると、先週から今週まで練習でなにが足りなかっただろうか?と不安になります。今週も、家で発声練習をしましたが、前の週よりも練習量が少なく、不安な思いで教室に向かいました。

今日はいとつも違い広い教室でした。冬休みが近づき、振替をする受講生が多いのでしょう。いつものように教室には一人。発声練習を始めました。時間になると、女性の先生がいらっしゃいました。初回の授業でお会いした先生です。
「今日は人数が多いので、さっそく始めます」
生徒に一枚パウチされた写真が配布されます。写真をみて情景描写をするのですが、考える時間は5分。発表は1分。私に配布された写真は、中央に若い髪の長い女性がいて、前景にあるテーブルにコーンスープを置いているものでした。テーブルの上には4人前のシャンペーン・低いグラスに入ったのみの。中央には骨付きのチキン。チキンの隣にはサラダがあります。

5分すぎ、発表がはじまります。時間と、描写の仕方に苦戦しています。私の順番はほぼ最後でした。前景のテーブル・中央の女性・後ろの景色を述べてから、中央の女性の説明をしました。発表が終わると、受講生から2名指名され、発表の内容について発言します。私は、説明する場面をあちらこちらに分散させてしまったので、そこを指摘されました。先生からは、説明の仕方はいいが、構成を考え直すようにと、言われました。
「でも、言葉が沢山でています。いいですね。」
アナウンサー教室であまり褒められることがないので、とても嬉しく気持ちが上がってきました。

全員の発表が終わると、二枚目の写真が配布されます。もう一度チャレンジです。私は紙に書いてしまうと読んでしまうので、本当に少しだけ箇条書をして、後は時計で時間を計りながら、口を動かして言葉にしたらどう聞こえるかを想定して練習しました。今回の写真は中央に大きな鉄人21号のオブジェがあり、前方のそれを見上げる人々のいる写真です。鉄人28号は金の色をしていますが、それがとても渋いので「いぶした金色」と表現することにしました。自分の発表がおわり、緊張して座ると、
「いいね。この写真で金色を[いぶした金色]と言ったのは貴方だけよ。」
と褒めていただきました。本当に嬉しかったです。今週から基本に戻って滑舌練習をしようと思います。

この課題、とても好きでした。でも、どこかでやったことがあるな・・と思っていました。私は美術史を専攻していたので、授業でやっていたのです。絵画の細部まで、なにが書かれているか探し、作家の人生や作風と照らしあわせて、それが何を意味しているかを学んでいました。それと、勉強を教える仕事では、生徒達にどのようにすればうまく伝わるのか常に考えています。答えを教えるのではなく、答えを生徒に言ってもらうためにそれを誘導する言葉を探すこともしています。そういった経験が役に立ちました。

何が、いつ、役に立つのかわからないものです。無駄なものはないのです。