こくご食堂

小学生向けこくご塾を創業しました。[こくご]の楽しさを、様々な切り口から発信していきたいと思っています。

[消しゴムの家出]

2017-12-27 20:50:21 | 本紹介
はじめまして。2018年、川崎で小学生むけ[こくご]を中心とした塾を創業予定のamimです。思考・発表・文章にする・を柱に、ディベート・俳句アクティブラーニング・ビブリオ・ロールプレイングなどを取り込んだ授業をします。ブログは毎日更新しています。思ったこと・体験したことなどを文章にすることは、すべて「こくご」です。

「こくご食堂」本日調理する食材は、[消しゴムの家出]です。

一週間の半分は教育関連の仕事をしています。その生徒の一人にとてもユーモアのある子がいます。小学生男子なのですが、私の発言に想像以上に反応して、こちらが考えもしない切り返しをしてくれます。

昨日の授業では、途中で生徒の消しゴムが行方不明になりました。
「あら。消しゴムが家出しましたね。」
「困った。懲らしめないと。」
「懲らしめる」という表現がとてもよかったです。
「でも、ご主人様はとても優しいですし、家出する理由がわかりませんね。」
「そうだよ。僕はよくしていたと思うよ。」
結局授業の最中はみつかりませんでした。帰りの支度をして出口に向かう途中で、家出をしていた消しゴムと再会しました。
「こんなところにいたのかい。」
満面の笑みで小さい消しゴムを見るつめる生徒。
「よかったですね。ちょっと気晴らしの旅だったのでしょう。」


▲私のMONO消しゴム
生徒の消しゴムはもっと小さかったです


授業の途中では、物を人のように例えることを「擬人法」というのです、という内容も盛り込みます。授業で学問として聞くよりも、実際に擬人法を使うと頭に残ります。そしてその生徒がどんなものを擬人化するのかも楽しいところです。

お子さん達は、小さい頃に「擬人法」で育てられています。例えば、玩具を出しっぱなしにすると「玩具が泣いているよ。」
幼稚園の先生やおうちの方はそんな表現をします。この表現はお子さん達が大きくなると使用しなくなります。使用しなくなると、詩の学習で内容の理解ができなくなるのです。詩では、とても奇抜な擬人法が使用され、主語も省略される場合があります。

詩や小説など読解だけでなく、生活にほっこりとした感覚を取り入れるために、擬人法遊びをしていただきたいと思います。擬人法遊びをしかける、こちら側も表現力が試されます。くすっと笑ってしまうような「こくご」です。