愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

もうすぐ締め切り

2014年11月19日 | 卒論
卒業論文締切まで1か月を切りました。もう80%程度の完成を見せている必要があるはずですが,現4年生たちの原稿を見た限りまだまだといったところです。

今年度,ゼミの4年生は5名しかいません。そのためか,あまり私ががみがみ叱らなくても,黙々と作業を進めてくれているようです。今年度の卒論テーマはつぎようなものです。

ビールにおけるロングセラー・ブランドを複数とりあげ,それらのケース・スタディーから,ロングセラーの原則を導き出す。

佐賀県呼子朝市を取り上げ,フィールド・リサーチを通して,その集客要因と問題点を導出する。

購買者の冷凍食品パッケージに関する情報処理過程について,購買者に対するインタビュー・データをテキスト・マイニングすることによって明らかにする。

ドン・キホーテにおける非計画的購買の生起要因を,買い物客に対する深層インタビューから導き出す。

八事興正寺におけるマルシェを取り上げ,フィールド・リサーチを通じて,その販売方法の改善策を提案する。


それぞれの興味関心にしたがって,テーマを見つけてきたわけですが,きちんと先行研究を読み,それに基づいて,もしくはその批判に立って卒論研究を進めるという,ゼミの基本方針は守ってくれたようです。また,データ収集の努力を惜しまないという方針も守ってくれています。数冊の本を読んで,それらをまとめて(悪くいうと引き写して)終わりという安直な卒論はなくなっているので,その点では今年も良かったなという感想です。

ただ,自分なりの主張を展開するという点では,不十分です。4年生たちは,今月に入ってから,結論が定まらないと騒いでいます。

毎年出てくる問題ですが,いつも私が口にするのは,焦点を狭く絞ることです。独自の主張というと,何か大それた提言をしなければならないと学生は思いこむようです。しかし,大きなテーマのもとの大それた提言は,ありきたりの抽象的な言葉の羅列になってしまうことが多いのです。独自の面白い主張を学生ができることはほとんどないでしょう。

研究範囲の一部を取り上げ,それを掘り下げてみることをいつもアドバイスします。とにかく「小さく,狭く」していくのです。そうすると,考慮すべき要因が少なくなり,処理がしやすく,要因間の関係が明瞭になります。その結果,独自の主張がひょいと出てくるようになります。

なお,最近,学生が自由に使えるコンピュータ室を訪ねてみると,卒論執筆中の4年生たちであふれかえっていました。その会話を聞いてみると,「字数が8千までいった。あと1万2千だ」「字数増やすのに,本をここからここまで書き写すよ」という字数稼ぎの話ばかりです。文章の論理性や主張の独自性を議論する学生を見ることはなかなかありません。こういう雰囲気を変えていかないと大学の教育改善にはならないでしょう。

コメント
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