愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

新年度

2019年04月27日 | 運営
春学期が始まり,各科目3回から4回の授業をこなしました。ゼミは今週4回目を終えました。ゼミ3年生は,チームに分かれて研究発表のテーマを検討中です。例年通りうまくいきません。しかしながら、この時期はいつも私は静観しています。学生が自分で何をしたいのかを明らかにしないと,教員は教えようがないからです。

研究発表で最も難しいのがテーマ設定です。研究発表の根幹です。これをきちんと行うことができれば、作業は半分終えたようなものです。ゼミ生たちは、今までの教育において、勉強すべき事柄はほとんど教員に与えられてきました。自ら学ぶべき対象を決め、そこに問題点を見つけ出し、調査と思考を深める課題を明確にするなど経験がないはずです。だからこそ、これに取り組む意義があるのです。最終的に評価に値する発表ができなくともよいと常に私はゼミ生に述べています。それよりも大事なことは、自分で頭を使って、自分で問題と答えを見つけ出そうとして、試行錯誤すること。そして、それによって、思考力や調査力が向上することです。今は迷いに迷って苦しんでほしいと思います。

ゼミ3年生においては、テーマ設定がうまくいかないに加え、チーム編成に問題が生じています。チームでの取り組みに嫌気を感じるゼミ生が早くも出現してしまいました。近年、チームワークの下手なゼミ生が目立つように思います。なぜチームワークが下手なのか、私なりの分析は、彼らのコミュニケーションが不全だからです。どうも、LINEやツイッター等の短文投稿がコミュニケーションの主流になっていることが原因のように思います。

混沌とした、未決定の状況下では、まずはフェース・トゥー・フェースで議論すべきです。フェース・トゥー・フェースのコミュニケーションは言葉のやり取りだけではなく、非言語(ノンバーバル)コミュニケーションも含まれます。人の表情、しぐさ、声のトーンなどを、言葉とともにやり取りします。非言語コミュニケーションを手掛かりに、議論相手の本心を我々は探り出します。チーム内で方向性や役割を決める時に、相手の本心や裏の意図探らないで発表準備を進めてしまうと、後にすれ違いが起きる可能性が高くなります。

ある程度、チーム・メンバー間でテーマや役割について納得が得られたならば、様々な通信手段を使って、非対面のやり取りをすればよいと思いますが、このやり取りにおいても、研究発表準備であることに注意を払わなければなりません。つまり、研究発表の準備である限り、論理的に言葉のやり取りをしなければならないのです。そのために、できる限り表現を尽くす(長い説明文)必要があるのです。

しかし、ゼミ生たちを見ていると、フェース・トゥー・フェースの議論を簡単に済ませ、その後はLINE等で短文のやり取りを繰り返すことが多い。これでは、メンバー間で正確に考えていることを論理的に把握し合うことは難しいでしょう。ましてや本音を探ることはもっと難しい。メンバーが個々で調べて作成した発表用データをメンバー間で交換することが多いのですが、データ作成の意図を正確に伝え合う必要があります。LINEのやり取りでそれができているでしょうか。

やはり、テーマが固まらない段階では、余裕がなくとも、フェース・トゥー・フェースで議論の時間をきちんと確保すべきです。メンバー間で納得の行くまで議論すべきです。ここでけんかになったとしても、構いません。コミュニケーション不全ゆえの不信感を作り出すよりは、よいのです。よほど教育的です。




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