愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

ありきたりのテーマの深堀り

2016年06月17日 | 卒論
4年生で,卒論で広告効果を取り上げる予定のゼミ生がいます。テレビCMのプロモーション効果を考察するというテーマです。つまり,消費者は,テレビCMに対して高い好感を持てば,そのCM対象の製品に対して興味を高め,購買しようと思うかどうか考察するというのです。そしてテレビCMの好感度は出演タレントの好感度に関連するかどうかも考察しようとしています。

CMのプロモーション効果など,いわゆる広告効果は古くて新しい研究テーマです。ありきたりなのかもしれません。しかし,簡単にはその効果があるかないか断定はできません。

この研究はプロモーション効果をどのように規定するかが重要です。効果の次元として,商品の知名度,商品の選好度,商品購入の意向度,販売数量などが考えられます。どれを取り上げるのかによって議論は変わってきます。

また,CM好感度を取り上げる際,それに影響を与える要因まで考察範囲を広げると,議論は深まります。すなわち,CM出演者の属性,内容の種類(イメージ広告,比較広告など),放送のタイミングなどを影響要因として捉えると,それらがどのようにCM好感度に影響を与えるのか考察することです。同様に,CMの受け手側の要因についても考察すると,さらに多様な議論が展開されます。あるいは,製品の種類や属性に着目して,その違いとプロモーション効果との関連を考察することができるかもしれません。そのように議論を広げる中で,オリジナリティーのある論理が展開できるようになるでしょう。

まずは,ゼミ生には,既存研究・関連研究をいくつも探して読んで欲しいと思います。いくつもいくつも存在します。当然の指示ですが,これを徹底して行うことによって,知識が蓄積され,研究上の穴が見えるようになります。そこから上記のような次元や要因に関する議論を自分なりに整理してください。そのつぎに,仮説を立て,検証ができるかどうか検討してください。

テレビCMのプロモーション効果は古いテーマですが,メディア環境が激変する現在,企業においても消費者においてもCMの位置づけは変わってきています。したがって,それを学生なりの新鮮な目で再検討する意義はあります。難しいテーマで,マーケティングを一から勉強し直すことになるかもしれませんが,是非,面白い卒論を仕上げて欲しいと思います。



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