経営学はアメリカの大学で学部学生の最も一般的な履修科目だ。それはまた,自分の仕事に退屈している卒業生を生み出す公算が最も大きい科目でもある。
これは、アメリカ世論調査会社ギャラップがパデュー大学と共同で、幅広い年齢層の大学卒業生3万人を対象に実施して判明した結果だ。調査は「経営学」,「社会科学・教育学」,「科学・工学」,そして「芸術・人文学」という4つの大きな専攻カテゴリーの卒業生を比較したもので,経営学専攻だった卒業生は自らの仕事に対する意欲が最も薄く,皮肉なことに経済的に最も恵まれているというわけでもない。経済的に最も安定していたのは「科学・工学」専攻の卒業生だった。
「自分が今している仕事に強い関心があるか」との設問では,これに同意した経営学専攻の卒業生は全体の37%で,他の3つの専攻カテゴリーの卒業生に少なくとも6ポイント差をつけられている。この設問では「社会科学ないし教育学」を専攻した卒業生が47%でトップとなっている。この差は,2000年以降卒業した卒業生の間では比較的小さい。
生活に対する目的意識と充実感があるかどうかという質問でも,「社会科学・教育学」の卒業生では全体の56%が「イエス」と回答してトップとなった。経営学専攻の卒業はここでも48%で最下位だった。一方、最も経済的に恵まれていると回答したのは,「科学・工学」専攻の卒業生で全体の48%に達した。経営学専攻の卒業生は43%で2位,これに「社会科学・教育」専攻卒業生が42%で続いている。「芸術・人文学」卒業生は39%で最下位だった。
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版(2014年10月3日)より
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日本の経営学部・商学部所属の学生を見ていて感じることは,他の学部学生と比べて,専門性の獲得を意識して学生生活を過ごしている者が少ないということです。上記アンケート調査の専門よりも範囲が狭くなりますが,ゼミの所属によって,専門が分かれます。多くの場合,ゼミの学修において専門知識を高める意欲のある学生は少数です。うちの学部の卒論テーマ一覧を見ていていつも感じるのは,ゼミの担当教員の専門とは関連の薄いテーマを選んでいる学生が多いことです。担当教員側も,何も書かないよりは,学生の関心が向きそうなことを何か書いてくれた方が,教育上意味があると捉えて,認めているのでしょう。ちなみに,教員の専門性と関連の薄い卒論を書きあげた学生が選んだテーマで,もっとも多いのがマーケティングに関するものです。残念なことに,おそらくマーケティンクは「ちょろい」と思われているのでしょう。
アメリカの事情は分かりませんが,想像するに,専門性の獲得に意欲はないものの,就職活動のことを考えて,経営学を専攻し,卒業した学生が多い。その目的意識の薄い卒業生たちは,就職後もやはり目的意識を高めることなく過ごしているということなのでしょう。日本でも,学生たちを見ていると,アメリカと同様の状況に陥っているかもしれないと感じます。
ゼミでは,マーケティングを専攻しているという意識を高めてもらうべく,色々な工夫をしていますが。やはり低いままだなと印象です。こちらが指示しない限り,自分から求めて,マーケティングに関する本や雑誌記事を読む学生は少ない。現3年ゼミ生を見ていると,研究発表では,その場をやり過ごし,とにかくスケジュールが終わりさえすれば良いという態度がありありで悲しくなりました。目的意識を高めることは難しいという実感です。
ただ,ゼミ生はじめ多くの学生に理解しておいてほしいことは,学生時代の目的意識のなさは,その後も引きずるかもしれないということです。そして,時間とお金を費やしながら,やり過ごしている貴重な今の学生時代は二度と戻ってはこないということです。
これは、アメリカ世論調査会社ギャラップがパデュー大学と共同で、幅広い年齢層の大学卒業生3万人を対象に実施して判明した結果だ。調査は「経営学」,「社会科学・教育学」,「科学・工学」,そして「芸術・人文学」という4つの大きな専攻カテゴリーの卒業生を比較したもので,経営学専攻だった卒業生は自らの仕事に対する意欲が最も薄く,皮肉なことに経済的に最も恵まれているというわけでもない。経済的に最も安定していたのは「科学・工学」専攻の卒業生だった。
「自分が今している仕事に強い関心があるか」との設問では,これに同意した経営学専攻の卒業生は全体の37%で,他の3つの専攻カテゴリーの卒業生に少なくとも6ポイント差をつけられている。この設問では「社会科学ないし教育学」を専攻した卒業生が47%でトップとなっている。この差は,2000年以降卒業した卒業生の間では比較的小さい。
生活に対する目的意識と充実感があるかどうかという質問でも,「社会科学・教育学」の卒業生では全体の56%が「イエス」と回答してトップとなった。経営学専攻の卒業はここでも48%で最下位だった。一方、最も経済的に恵まれていると回答したのは,「科学・工学」専攻の卒業生で全体の48%に達した。経営学専攻の卒業生は43%で2位,これに「社会科学・教育」専攻卒業生が42%で続いている。「芸術・人文学」卒業生は39%で最下位だった。
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版(2014年10月3日)より
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日本の経営学部・商学部所属の学生を見ていて感じることは,他の学部学生と比べて,専門性の獲得を意識して学生生活を過ごしている者が少ないということです。上記アンケート調査の専門よりも範囲が狭くなりますが,ゼミの所属によって,専門が分かれます。多くの場合,ゼミの学修において専門知識を高める意欲のある学生は少数です。うちの学部の卒論テーマ一覧を見ていていつも感じるのは,ゼミの担当教員の専門とは関連の薄いテーマを選んでいる学生が多いことです。担当教員側も,何も書かないよりは,学生の関心が向きそうなことを何か書いてくれた方が,教育上意味があると捉えて,認めているのでしょう。ちなみに,教員の専門性と関連の薄い卒論を書きあげた学生が選んだテーマで,もっとも多いのがマーケティングに関するものです。残念なことに,おそらくマーケティンクは「ちょろい」と思われているのでしょう。
アメリカの事情は分かりませんが,想像するに,専門性の獲得に意欲はないものの,就職活動のことを考えて,経営学を専攻し,卒業した学生が多い。その目的意識の薄い卒業生たちは,就職後もやはり目的意識を高めることなく過ごしているということなのでしょう。日本でも,学生たちを見ていると,アメリカと同様の状況に陥っているかもしれないと感じます。
ゼミでは,マーケティングを専攻しているという意識を高めてもらうべく,色々な工夫をしていますが。やはり低いままだなと印象です。こちらが指示しない限り,自分から求めて,マーケティングに関する本や雑誌記事を読む学生は少ない。現3年ゼミ生を見ていると,研究発表では,その場をやり過ごし,とにかくスケジュールが終わりさえすれば良いという態度がありありで悲しくなりました。目的意識を高めることは難しいという実感です。
ただ,ゼミ生はじめ多くの学生に理解しておいてほしいことは,学生時代の目的意識のなさは,その後も引きずるかもしれないということです。そして,時間とお金を費やしながら,やり過ごしている貴重な今の学生時代は二度と戻ってはこないということです。
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