いつもガットを張ってもらっているSさんの店を訪ねたら、
硬式テニスがソフトテニスに、ソフトテニスが硬式テニス
にそれぞれ近づいている、との感想を聞いた。
私も感じていたことだが、ウインブルドン級の試合を見て
いると、ストロークの打ち合いが多いこと。以前はサービ
スをすると、まっしぐらにネットへ走って行く。または隙あ
ればネットを取るケースが多かったが、今はそのまま相手の
返球を待つケースが多い。
Sさんいわく、硬式のダブルスで「雁形」のポジションが多
いのだという。ストロークもたしかボルグあたりから、軟式
打ちに変わっている。
「雁形」は軟式テニスの得意としている。ソフトテニスは今
でも「後衛」、「前衛」の分業がはっきりしている。
ボレーやスマッシュのうまい前衛がネット際にいて、ストロークの
得意な後衛がベースライン付近に陣取るポジションは隙のない
構え。伝統の試合形式である。
ところが今、硬式のダブルスで「雁形」が多いのだという。
一方、ソフトテニスは前後衛横並びのポジションが見られる。
このポジションで戦う人を見たがストロークをせずに、ノーバ
ウンドでボールをたたく戦法は強烈だ。
上手な選手二人がコートの中央に立つと、打つところがなくなる。
ロブで逃げてもスマッシュで落される。
アジア大会で日本が活路を見出したのが、並行作戦であったと
新聞で見た。
これは高度な技術と勇気が必要な作戦である。
かつて西日本大会で見た並行形のチームは、準決勝で負けた。
勝ったチームでミスが少ないしっかりした試合だった。
いまの段階で、並行ができるのは、全日本級か。ハイレベルの世界か。
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