今日は、長崎への原爆投下から70回目の原爆忌です。
天声人語に、妻と三人の子を亡くした俳人:松尾あつゆきさんの句が掲載されていました。
○あはれ七カ月の命の花びらのやうな骨かな
子は、中一と四歳、一番下はまだ七カ月の赤ちゃんで、自ら木を組んで三体のなきがらを焼いたそうです。
先立ったわが子を亡くした親の悲しみ。その思いを抱えながら、木を組み 自らの手で天の国へ送らなければ
ならない辛さ。子を抱きしめる手で なきがらを焼き、花びらのような骨を見たときの 深い悲しみ。
わずか七か月余りしか生きられなかったわが子への愛しい思いが、強く深くこみ上げてきたのではないでしょうか。
尊い子どもたちの命を一瞬に奪ってしまった 核兵器の悲惨さ 戦争のもたらす残酷さ。
愛する子や肉親を亡くした人々の慟哭が、心に響いてきます。
○なにもかもなくした手に四まいの爆死証明
子を追うように妻も亡くなり、手に残されたものは四人の爆死証明。
その手でもう二度とわが子や妻を抱くことはできないのです。なにもかも という言葉の内に、失ったものがどんなに
尊く大切なものであったのか その無念の思いがひしひしと伝わってきます。
○降伏のみことのり、妻をやく火いまぞ熾(さか)りつ
妻を荼毘に付した日に、玉音放送が流れたそうです。
戦争が 原爆の投下がなかったら、妻と子どもたちも 松尾さん自身も 幸福な人生を歩むことができたことでしょう。
亡くなった先にあるはずだった 取り戻すことのできない わが子たちとの人生。
母としての妻の 無念の思いと怒りを 熾(さか)りつある炎の内に 松尾さんは見ているのでしょうか。
こういった 言葉にならない 悲しみや辛さを抱えながら、松尾さんは戦後の人生を生きてこられたのでしょう。
そこで家族や肉親・親しい人々を失っただけでなく、被爆者の方々は 差別や偏見という中でも生きなければならなかったそうです。
被爆者であることを理由に、いじめや差別を受けたり、愛する人との結婚を反対された人々。
悲しみと新たな苦しみの中で、生きなければならなかった事実に、言葉もありません。
被爆体験者の方々の中には、そんな理由から悲しく辛い体験をいまだに言葉にできない方もたくさんおられるそうです。
悲しみを抱えた人に 新たに悲しみや苦しみを与えてしまう 人間社会の現実という残酷さ。
誰もが大切にされ、受け入れられ、認められる社会。
さまざまな悲しみを抱えた人々の心が癒され、安心して生きていけるような 温かく 心豊かな人間社会でありたいものです。
悲しみの対極にあるのが幸福。
戦争の対極にあるのが平和。
世界中の誰もが、幸福で 平和な社会の中で生きることのできる 未来であってほしいものです。
そのためにも、悲しみを生み出す 戦争や核兵器(原発も含め)のない 世界であることを 心から願います。
天声人語に、妻と三人の子を亡くした俳人:松尾あつゆきさんの句が掲載されていました。
○あはれ七カ月の命の花びらのやうな骨かな
子は、中一と四歳、一番下はまだ七カ月の赤ちゃんで、自ら木を組んで三体のなきがらを焼いたそうです。
先立ったわが子を亡くした親の悲しみ。その思いを抱えながら、木を組み 自らの手で天の国へ送らなければ
ならない辛さ。子を抱きしめる手で なきがらを焼き、花びらのような骨を見たときの 深い悲しみ。
わずか七か月余りしか生きられなかったわが子への愛しい思いが、強く深くこみ上げてきたのではないでしょうか。
尊い子どもたちの命を一瞬に奪ってしまった 核兵器の悲惨さ 戦争のもたらす残酷さ。
愛する子や肉親を亡くした人々の慟哭が、心に響いてきます。
○なにもかもなくした手に四まいの爆死証明
子を追うように妻も亡くなり、手に残されたものは四人の爆死証明。
その手でもう二度とわが子や妻を抱くことはできないのです。なにもかも という言葉の内に、失ったものがどんなに
尊く大切なものであったのか その無念の思いがひしひしと伝わってきます。
○降伏のみことのり、妻をやく火いまぞ熾(さか)りつ
妻を荼毘に付した日に、玉音放送が流れたそうです。
戦争が 原爆の投下がなかったら、妻と子どもたちも 松尾さん自身も 幸福な人生を歩むことができたことでしょう。
亡くなった先にあるはずだった 取り戻すことのできない わが子たちとの人生。
母としての妻の 無念の思いと怒りを 熾(さか)りつある炎の内に 松尾さんは見ているのでしょうか。
こういった 言葉にならない 悲しみや辛さを抱えながら、松尾さんは戦後の人生を生きてこられたのでしょう。
そこで家族や肉親・親しい人々を失っただけでなく、被爆者の方々は 差別や偏見という中でも生きなければならなかったそうです。
被爆者であることを理由に、いじめや差別を受けたり、愛する人との結婚を反対された人々。
悲しみと新たな苦しみの中で、生きなければならなかった事実に、言葉もありません。
被爆体験者の方々の中には、そんな理由から悲しく辛い体験をいまだに言葉にできない方もたくさんおられるそうです。
悲しみを抱えた人に 新たに悲しみや苦しみを与えてしまう 人間社会の現実という残酷さ。
誰もが大切にされ、受け入れられ、認められる社会。
さまざまな悲しみを抱えた人々の心が癒され、安心して生きていけるような 温かく 心豊かな人間社会でありたいものです。
悲しみの対極にあるのが幸福。
戦争の対極にあるのが平和。
世界中の誰もが、幸福で 平和な社会の中で生きることのできる 未来であってほしいものです。
そのためにも、悲しみを生み出す 戦争や核兵器(原発も含め)のない 世界であることを 心から願います。