もうすぐ、この施設ともお別れになる。最後に、これまでのこの施設で学んだことから、チャレンジャーズライブ予選通過の必勝法を含め自分なりのうんちくを述べたいと思う。
手術はテクニック---イメージの連動、メンタル面の制御から成り立つ
【テクニック】
これは学生時代の部活の練習と一緒で、ひたすら練習あるのみ。
少なくとも外科医であれば研修医の頃、暇さえあればそこらじゅうの机や椅子に糸結びの練習をした覚えがあるはず。これは子供の習い事と一緒で脳神経細胞が死んでいく前に、できるだけ若いうちから手先を動かすのが理想。
バイパスであれば、豚の心臓買ってきてひたすら練習するのである。
自分の場合は
以前このブログにも書いたが、ラッキーなことに僕の地域のスーパーでは、豚のハツを一個200円で売ってくれる。手術のない土日にしこたま買い込んできてこっそり手術室に持ち込み、有線をがんがんにかけて練習する。そして可能であればビデオに録画して、一吻合ごとにレビューしておかしなところを直していく。ポイントはたくさんあるのだろうが、僕が意識していたのはスムーズな針の持ち替え、つまり針のキャッチボールである。僕のは半分はボス、半分は渡邊剛先生がやっている運針を盗んだ。これは机の上でも絵を書いてできるし、日々の手術で皮膚を埋没連続で縫う際にも意識していれば練習になると南淵先生は言っていた。何ならマイクロのセッシと持針器で皮膚を縫わせてもらえばなお良い。
【イメージ】
一流のF1レーサーはコースの隅々まで頭の中にインプットされており、レース前のイメージトレーニングでは、本番さながらのように汗をかき、疲労感を覚え、そして驚くことに自分のラップタイムと寸分狂わぬタイムでゴールするという。
要するに頭の中にしっかりとしたイメージもち、それをいかにして自分の手で再現するかである。
僕は12針で吻合するが、その12針すべて、一針一針必ずうんちくがある、いつもボスが言っていたうんちくが自然と頭に入っていた。
川副先生も言っていたが、手術はイメージである。良いイメージを持つためには良い手術をしこたま見なくてはならない、まずは良い外科医に出会うことである。
【メンタル】
一番重要であり難しいのが自分の精神面のコントロールである。
スターウォーズでアナキンやその息子のルークがダークの道へ引きずり込まれそうになる、アナキンは負けてしまうがルークはフォースの力を信じ見事に悪に打ち勝つ。
チャレンジャーズライブ予選では、みんなテクニックとイメージはある程度できて挑んでくるのだろうが、緊張のあまりそれが100%発揮することができないのだと思う。
自分のリズムを持って、そこに自分の世界をつくりあげ、周りを巻き込み全員見方にして自分に有利な環境にしてしまうことだと思った。
そのためにはまず
敵を知ること、豚さんと仲良くすることである。豚さんで10匹20匹とやっているうちに、だんだん豚の冠動脈の走行とか特性とかもわかってくる、本番でもあせらずすぐにLADが見つけられる。
機会があれば学会でやっているウェットラボに参加したり、またテルモかエチコンの動物ラボでOFF-CABGを体験してくる。
そして、もちろん豚さんだけでなく審査員の先生方とも仲良くすることである、ラッキーなことに審査委員の方の半分以上は知りあいであり、本番中も冗談言いながら自分のペースでやらせてもらうことができた。
僕の場合一針一針吻合のポイントをずーとしゃべりながら吻合していた。これは自分のリズムを取るためであるが、結果的に審査員の先生方に対するアピールとなったと思う。途中、審査員の先生からはしゃべりすぎで減点項目は無いからいいよといわれたが、終わった後もずーとしゃべり続け、しまいには南淵先生からうるさいと怒られた。
当たり前のことばかり書いたが、それが日々の忙しい生活の中ではなかなかできない。ストイックな方なら良いが自分に甘い人間にはなかなか難しい。
どうするかといえば、ゆるぎない信念を持つこと、近場の目標を持ち、そして自分を自ら谷底に落として窮地に追い込む、そういう環境に自分をおくことでしょうか。
手術はテクニック---イメージの連動、メンタル面の制御から成り立つ
【テクニック】
これは学生時代の部活の練習と一緒で、ひたすら練習あるのみ。
少なくとも外科医であれば研修医の頃、暇さえあればそこらじゅうの机や椅子に糸結びの練習をした覚えがあるはず。これは子供の習い事と一緒で脳神経細胞が死んでいく前に、できるだけ若いうちから手先を動かすのが理想。
バイパスであれば、豚の心臓買ってきてひたすら練習するのである。
自分の場合は
以前このブログにも書いたが、ラッキーなことに僕の地域のスーパーでは、豚のハツを一個200円で売ってくれる。手術のない土日にしこたま買い込んできてこっそり手術室に持ち込み、有線をがんがんにかけて練習する。そして可能であればビデオに録画して、一吻合ごとにレビューしておかしなところを直していく。ポイントはたくさんあるのだろうが、僕が意識していたのはスムーズな針の持ち替え、つまり針のキャッチボールである。僕のは半分はボス、半分は渡邊剛先生がやっている運針を盗んだ。これは机の上でも絵を書いてできるし、日々の手術で皮膚を埋没連続で縫う際にも意識していれば練習になると南淵先生は言っていた。何ならマイクロのセッシと持針器で皮膚を縫わせてもらえばなお良い。
【イメージ】
一流のF1レーサーはコースの隅々まで頭の中にインプットされており、レース前のイメージトレーニングでは、本番さながらのように汗をかき、疲労感を覚え、そして驚くことに自分のラップタイムと寸分狂わぬタイムでゴールするという。
要するに頭の中にしっかりとしたイメージもち、それをいかにして自分の手で再現するかである。
僕は12針で吻合するが、その12針すべて、一針一針必ずうんちくがある、いつもボスが言っていたうんちくが自然と頭に入っていた。
川副先生も言っていたが、手術はイメージである。良いイメージを持つためには良い手術をしこたま見なくてはならない、まずは良い外科医に出会うことである。
【メンタル】
一番重要であり難しいのが自分の精神面のコントロールである。
スターウォーズでアナキンやその息子のルークがダークの道へ引きずり込まれそうになる、アナキンは負けてしまうがルークはフォースの力を信じ見事に悪に打ち勝つ。
チャレンジャーズライブ予選では、みんなテクニックとイメージはある程度できて挑んでくるのだろうが、緊張のあまりそれが100%発揮することができないのだと思う。
自分のリズムを持って、そこに自分の世界をつくりあげ、周りを巻き込み全員見方にして自分に有利な環境にしてしまうことだと思った。
そのためにはまず
敵を知ること、豚さんと仲良くすることである。豚さんで10匹20匹とやっているうちに、だんだん豚の冠動脈の走行とか特性とかもわかってくる、本番でもあせらずすぐにLADが見つけられる。
機会があれば学会でやっているウェットラボに参加したり、またテルモかエチコンの動物ラボでOFF-CABGを体験してくる。
そして、もちろん豚さんだけでなく審査員の先生方とも仲良くすることである、ラッキーなことに審査委員の方の半分以上は知りあいであり、本番中も冗談言いながら自分のペースでやらせてもらうことができた。
僕の場合一針一針吻合のポイントをずーとしゃべりながら吻合していた。これは自分のリズムを取るためであるが、結果的に審査員の先生方に対するアピールとなったと思う。途中、審査員の先生からはしゃべりすぎで減点項目は無いからいいよといわれたが、終わった後もずーとしゃべり続け、しまいには南淵先生からうるさいと怒られた。
当たり前のことばかり書いたが、それが日々の忙しい生活の中ではなかなかできない。ストイックな方なら良いが自分に甘い人間にはなかなか難しい。
どうするかといえば、ゆるぎない信念を持つこと、近場の目標を持ち、そして自分を自ら谷底に落として窮地に追い込む、そういう環境に自分をおくことでしょうか。