あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

お休みです。

2009-12-01 19:42:41 | Weblog
先々週に大動脈の緊急が3件入ってしまったり、術後の立ち上がりの悪い方が、最近多くて、ついにCCUがいっぱいで、開く予定も立たなかったので、手術をしばらく延期にすることにしました。
まー、帰るところがなければ、手術もできるわけありませんし、スタッフからの風当たりも冷たくなりますので、先手を打ち、こちらから延期を決めました。
とりあえず、先週の後半から今週いっぱいまで、一時、中止です。
今日は外科医3人とも、病棟の処置でフル活動でした。
とりあえず、長期の方のライン類を全部入れ替えたり、いろいろ処置をしたり、急変だ、なんだと、トラブルも続けて発生して、あっという間に一日が終わりました。
これで、手術入っていたら、大変なことになっていただろうと思います。
CCUは少し、空きができましたが、まだ、ほぼ3人が固定となっており、なかなかです。

内腸骨動脈瘤

2009-12-01 18:33:54 | Weblog
内腸骨動脈の瘤は悩ましいものであります、今、外来で見ているかたですが、両側の内腸骨動脈瘤の方がいまして、6-7cmとかなり拡大を認めてましたので、手術の予定を組むことにしましたが、どこまで、やるか、両側なので、どちらか一方は再建したいところですが、両方とも枝分かれの直前まで瘤化しており、もう、ほんとに骨盤底というやつで、周囲との癒着も強いでしょうし。
1、空置のみ、一番、簡単、しかし破裂の危険は残るし、腸管虚血や臀部破行の可能性も出てくる。
2、枝を結紮、しかし、周囲から行くのはたぶんむり、行くとしたら、切開して瘤内から、でも相当深いし、視野が取れるかどうか。成功すれば破裂の危険はゼロ、でも虚血の可能性は残る。
3、片方は瘤内から枝を閉じて、片方は再建、しかし、ほんとに視野が取れるのかどうか。

理想を言えば、3番がいいのでしょう。
以前、瘤内から閉じに行こうとしましたが、視野が取れず、ひどいことになり、結局、閉じて空置したという、苦い経験があります。
若い方なら、とことんやる必要もあるでしょうが、この方も、もう、とっくに平均余命は超えた方ですので、空置してくるのが、よいかもしれませんが、どうなんでしょう、悩みます。
後はご本人、家族とも良く相談して、ベストな方法を考えたいと思います。