あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

留学への思い

2010-08-01 22:47:27 | Weblog
先日の学会でドイツに留学していた同級生に話をきいてが、とにかく留学した方がいいと、なぜかというと一番は自信がつくとのこと。彼はたぶん世界一かずやってる、年間6000例の施設に行っていたのだが、欧米人はとにかく、手先は不器用でへたくそ、その上、サボってばかりで全然仕事しないらしい。だから日本人はものすごく尊敬されるし、大事にされるさしい。誰かも同じこと言っていた。あいつらは時間になったら帰っちゃうし、緊急は呼んでも来ないので、そういう時に文句言わず、いつも日本人が活躍するらしい。うまく使われていると言えばそれまでだが、ギブアンドテイクである。
日本では年間20-30の施設でも、そこそこに技術をキープしてやっていけるかもしれないが、欧米人は無理だとのこと、集約化されて毎日手術しているから、なんとかなるけど、年間20-30では欧米人ではとても、日本人ならではと言っていた。
だから行く前は言葉の壁があって、いつも尻込みしてばかりで、相手を上に見てばかりだったけど、向こうにいても日本人であることに誇りを持って、逆に欧米人を見下して仕事してたって。
それから、やはり留学するなら英語圏にしろと、ドイツ語ペラペラで日本に帰ってきても、結局は英語ができないと意味ないと言っていた。
なんかそんな話を聞いたら、おれもビビらずそろそろ留学を考えようかななんて思ってしまった。でも、言葉の壁が、、、、行かなきゃ話せるようにならないよ、いくら英会話教室行っても無駄と言われた。そいつは向こうでまず4カ月語学学校に通ったとのこと。
やはりそれぐらいしないとダメだろうね。
まず語学留学ね、悪くないかも。
ちょっと甘いかな。

off-CABGの功罪

2010-08-01 22:16:59 | Weblog
先週担当させていただいたCABGの方は昨日造影しまして無事開存を確認できました。
技師さんからきれいにつながっているよとお世辞をもらいましたが、ボスがいなかった時の症例であり、しかもLADへの一本バイパスでしたので、さすがにこれで吻合の形が悪かったりなんかした日には、たぶん次はないというぐらいのつもりでやっている。
先日、冠動脈外科学会というのがありIMRの話を聞いてきたが、結局、リング形成だけでは遠隔期に3割は再発するので、弁下組織にも手を加えなくては駄目だろうという話になっていた。方法としては離れてしまった乳頭筋を寄せるか、もしくは引っ張られている腱索を切ってしまうか、引っ張られている乳頭筋を釣り上げるか、だいたいこの3つが主流かと思われる。確かにその通りではあるが、どれもこれも結局は虚血のリモデリングで左室が拡大することがすべての原因であるので、手術した時は元の場所に戻るかもしれないが、遠隔期にまた左室の拡大が進めば、どうにも再発は免れない気がするが、どうなんでしょうか。
そこで、他大学の同級生ともお会いしまして、いろいろ情報交換しましたがあちらは、CABGはほぼ全例、CPBのせるとのこと。ビギナーからしたらうらやましい。でも、IMRの話を聞いたときにM弁を触るか、CABGのみで終わらせるかの話になっていて、入院した時はMRじゃかじゃかだけど、心不全コントロールついて、しかも麻酔かけちゃうと、負荷がとれてMRが消えてしまう事は、昔からよく言われていたことだが、、、。実際にどうかというと、麻酔下でMR2度程度であれば、ついついoff-CABGですませてしまうことも、みんなあるんではないかと思う。もちろん症例それぞれでCPBのせる方がリスク高い人もいるだろうし。難しいところである、脱転に耐えられるからと言って、何でもかんでも意地になってoff-CABGで終わらせてしまい、あとからMR心不全で入院を繰り返すでは意味がなくなるので、そこらへんの評価は大事である。と今回学会に行ってあらためて思った。やはり学会って勉強にも刺激にもなるね。いつもは開催場所で選んでいたけど、今回も行くつもりはなく、たまたまオペ中止になったので行ったが、やはり、なんか時代に置いてかれる気がしてしまう。ただなんでもはやりすたれというのがあるので、一昔前まで正しかった事が今では正しくないなんてことは、この世界いくらでもあるので、何でもかんでも飛びついていては大変だし、アホである。でも、うちの上司二人はほとんど学会に出ない、何か新しいネタを聞いてきても、流されてししまうことが多い、せっかく学んできても病院にフィードバック出来る事って少ないんだな、AAAぐらいですかね、好きなように出来るのは、開心術はまだ、権限がないというか自信もないし。