あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

SVGのスパズムあるよ。

2014-10-21 11:53:38 | Weblog
先日はリオペ症例で11時間、、、、、なんもなければ8時間ぐらいの予定でしたが、最後にグラフトのスパズムに悩まされました。
既往にAVR+CABG,AAA-ygraft、A解離で腋窩-両大腿バイパスなどなどいろいろいじっています。
今回は慢性解離した上行の切迫破裂、解離は腹部のygraftまでで、バルサルバも48mmとでかい。
LITAが弓部に絡んでいたので必殺、オープンステントで上行弓部置換、RCAへのSVGは中枢吻合取ってしまっているので、新たなSVGでコンポジットして腕頭に中枢吻合、順調にいって止血もばっちり、6-7時間でポンプ降りて閉胸してたら、急変、、、、あちゃー。
わけわからず、脈がおかしくTEEでもRCAの虚血疑い、ドップラーでは先ほどまで聞こえていた音が聞こえないということでSVGを見てみると張りがない、とりあえずSVG離断してみたら、なんじゃこれーっていうぐらいスパズム、、、、。まったく血が流れていないというか内腔がない。
ちょっと信用できないので、もう一本グラフトとってつなぎなおすことにしましたが、グラフトとっている間に、VT→Vfのパターンで、もうポンプ回路は引き揚げてしまっていたので仕方なくPCPS登場でなんとか復帰、あらたなSVGつないだとたんに復活してPCPS離脱へ、冠動脈の虚血というのは現金なものです。

あまり心臓を触らない大血管の手術などでは、まさか心臓は何も起こらんだろうと思っていても、時に冠動脈トラブルありますね。特に解離の時とか。だいたい、ポンプ降りれないとか、ふらふらして怪しい時は冠動脈のとらぶるなんだわな、これが。

しかしこのSVG、言われてみれば最初っから少し変でした。つないだ後もイマイチ張ってこないというか、比較的細めでよさそうで、静脈瘤はないのにぼこぼこして膨らまなかった。でもドップラーは良い音を奏でていたのでね。大丈夫だろうと思ったんだけど。なんなんだったかね。
SVGはふくらましちゃいけないというけれど、膨らまないSVGはやばいね。

ばかにできない

2014-10-21 11:43:01 | Weblog
昨年、息子の幼稚園の運動会で、本気だしすぎた親御さんが骨折や顔面流血など目の前で起こり、なんであんな無理するのかなーなんて思っていまして、今年は、そんなこともあり、幼稚園側も自粛ムードがあり運動会で親が参加する競技はなかったのですが、なぜか授業参観と称して先週末に運動会復活、さすがに昨年のグラウンドでカーブで転倒続出だったこともあり、今回は体育館で直線コースによるリレーでした。
まさかのまさか私も本気で走ってしまい、チーム優勝しましたが、2本目のリレーで太ももの裏が突然ピキーンと何かが切れた感じ、これはまさかの肉離れ、、、。周りを見ると、同じようなお父さん数人がびっこ引いて歩いているではないか。きけば同じ症状、あちゃー。
昨年、馬鹿にしていた自分を反省、世のお父さんはついついね、頑張ってしまうのよね。

ちなみに翌日は息子と地元のマラソン(親子で2km)に申し込んでいたものだから、地獄、、、。奥さんは10km走っているので、子供についていかなくてはならず、足を引きずりながら、最初は息子においてかれたものの、途中でヘタレな息子の手を引っ張って無事ゴール。

前立ありき

2014-10-21 11:37:20 | Weblog
先週はCABG2件のほかに2尖弁のAVR+上行置換がありましたが、開胸してみると太いのはホントにジェットの当たる一部分だけで、これならオープンディスタールにしなくても遮断したまま上行置換もいけるという判断でして、ぱっぱぱっぱと進めて、吻合部からの出血に多少追加処置が必要ではありましたが3時間半で終了、これぐらいだといいですね。
前立の先生がベテランですと、いろいろと同時進行でできますし、ほんとに糸のフォロー一つとっても、視野出しも、めちゃくちゃやりやすいのであります。
自分がうまくなったと勘違いしてしまいますが、それはあくまでもまやかしなのね。

間一髪

2014-10-21 11:24:29 | Weblog
LMT見つかって入院継続のまま手術予定していた方が、当日にカテ室よってIABP挿入してもらったら、ワゴトニーで急変、血圧が戻らなくて意識飛んで、呼吸止まってしまいアドレナリン使っても反応悪く、そのままPCPSとなりました。
意識レベルが戻るかどうかわからないので、PCPS管理のまま手術は待期していたのですが夜には意識改善、翌朝一番で準緊急で予定してPCPSは1度抜去したものの、夜間も急に血圧下がること多し。
翌朝、手術室でグラフトとっている間も急変、VT→VFとなり、心マしながら慌ててポンプにのせてことなきを得ましたが。
LMT90の上、LADも99、CXも90、RCAも99で全て石灰化、本来ならば見つかった時点ですぐに手術すべきだったかと、あまりにも自覚症状が乏しかったため待ってしまったのがいけなかったかな。
あとは今回の急変は責任病変はどうもRCAのようでした。徐脈やブロックになることしばしばあったのでね。
あとは4本つないで終了、さすがにショックのうえにショックで不隠になるわ、IABPしばらく必要だわで、術後も苦労しましたが、ようやく心不全を脱しましたわ。
自分にとっては初めてのon-pumpCABGとなりましたが、今回は術前のことがあったのでビビッて最初っからポンプの用意していたのが幸いしました。
前立の先生もこんなんOPCABでいけるだろう、なんて言ってましたが、さすがにあわててました。
とにかく助かってなにより。