あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

ヨガ哲学4

2018-12-24 13:20:40 | ヨガ
題名は論理的な自己の分析、、、先生いわく、一番哲学的な話で、理解しにくいからつまらないセッションとのこと。

最初に生徒全員に自分とはなんですかとの質問あり、私の答えは一児の親(父親)と答えたけど、他の方々は、唯一無二の存在、今ヨガを頑張っている、飲食が好き、、、などなどでした。
これらの答えはどれもこれも、間違っていない、けれどもどれもこれも変化していく自分なのである。変化するもの、それは真実ではない、真実は不変。
変化しない自分とはアートマー、ここで自己の本質が出てくる、いつでも満ち足りている存在、あらゆる束縛から自由な存在、無限で永遠の存在というやつである。自分とはときかれて、これを答えられるひつは、もうゴールに近いんだろうな。

①シャリーラ・トラヤン(3つの体)について、
1,ストゥーラ・シャリーラ(質を持った体)について:肉体のこと,5つの要素とカルマ(業:運命,過去の自分の行いによる自分では選べ無いもの,個性を作る)
・5つの要素とは空(スペース),風(体に入るとプラーナになる,活動の源),火(体温,消化),水(体液),土(細胞が繋がりあって安定していること)
・肉体は変化を免れない,6つの大きな変化がある.
・それは母体に存在する状態→誕生→成長し続ける状態→成長は終わったものの変化をし続ける状態→衰え朽ち果てていく状態→死
・肉体は外の世界とかかわるための拠点としての役割がある.
・他人からも自分からも,はっきりと対象化する事が出来る.対象化できるもの(見えるもの)は自分ではない,肉体は変化していくが,本当の自分は変わらないが,それが理解できないと死を受け入れられない.

2,スークシュマ・シャリーラ(微かな体)について:魂のこと,5つ
・インプットするもの(目,耳,鼻,舌,肌)
・アウトプットするもの(言葉,手,足,排泄,生殖)
・生理学的機能(呼吸器,排泄器,循環器,消化器,リバース(嘔吐とか))
・感情(浮かんでは消えていくもの)
・知性(感情をとめることが出来る,決定)

・肉体と同じく空,風,火,水,土から出来ていて,やはり変化していくものである.ただし,肉体より長い寿命があり,肉体が死んだ後も旅を続け,次の肉体を得る.それは子の世界のサイクルが終わるまで続く.
・世界とのつながりを持つための「媒体」 の役割
・他人からは見えないけど,自分で感じることが出来る.

3,カーラナ・シャリーラ(原因の体):肉体と魂の全ての機能や質が「可能性」として種のうように潜んでいる状態・
・全ての要素の根本原因であるため,それ自体は産まれたり作られたりする事は無い
・ながーい寿命をもち,世界のサイクルが終わった後も続く
・認知が起こらないため,他人からも自分からも経験されることは無い,,,眠っているときの自分のようなもの. 

②次は体験を通した3つの状態について
・起きている状態(体を通じて世界と交流がある状態)5感がアクティブで世界の情報を集められる状態,この世界が存在する.
・夢を観ている状態(記憶サムスカーラの世界が映し出された内面の世界)
・熟眠の状態(自分と世界を分けるものが無く体験の起こらない世界):悩みも何もかも認識しない.

③次は5つの鞘について,3つの体を機能的に5つに分類した.
・私は肉体である
・私は行いである
・私は望む力である
・私は知る力である
・幸せを感じることの出来る,,,潜在意識

④最後は自分の本質について  アートマー
アートマーとはサッティヤン(何かに依存することの無い,普遍的な存在,真実),それ以外はミッティヤー(何かに頼ることで存在している,変わりやすく実体の無いもの,真実ではないもの)
ここは非常に理解しにくいお話,,,,,例えるならサッティアンが木だとして,ミッティヤーは机とうこと.海と波においてのたとえでは,海が無ければ波は存在しない,海は波があってもなくても海である.
わかったようでわからないはなしである.

本日は以上でした.


ヨガ哲学3

2018-12-24 09:23:51 | ヨガ
本日の題名は「自己の修養としてのヨーガ」でありあす。

まずはヨガスートラというヨガの経典についての講義でした.ちなみにスートラとは文献の種類であり,糸とか簡潔なという意味,インドではテキストを丸暗記してから授業に望むので,短い文章が好まれたらしい.
聖者パタンジャリによってまとめたもので,心のケアのための内容,ちなみに身体のケアのためにアーユルベーダもこの方が書いた.さらに言葉のケアのために文法の経典も書いている.言葉のケアとはすなわち知識を守ることらしい.
ヨガスートラの中でも大切なのが2章サーダナ・パーダデ言われるアシュタンガヨーガ(八支則)であり,体と心の健やかさ,自己の成長のために有効であるとされている.

第一章サマーディ・パーダ(三昧の章),この章ではヨガの定義
1-1 これから伝統に基づいたヨガの教えをといていく(パタンジャリが考えたわけではなく,これまでの伝統を伝えると)

1-2 ヨガとは心の働きを定めることである(前もって心が乱れないようにすること)

1-3 ヨーガが達成されたとき「考え」や「考えの対象物」を知るものの本質である「自己」にとどまる.(本当の自分と考えている自分は違うものだ,考えの中に巻き込まれず,本当の自分「自己」にとどまるということ)

1-12 心の動きを定める修養とは繰り返しの練習(アッビャーサ)と好き嫌いから起こる執着から離れること(ヴァイラーギャ),自分で向うゴールのために,好きか嫌いかではなく,必要か必要でないかで決める,ヨーガをやっていくと自然と見極める力が付いてきて,不要なものは自然と離れていく.小学生がおもちゃから離れてゲームに移るように.

1-23 心を定める修練はまた,イーシュラワに瞑想することでも達成される(イーシュラワ??,いまいち分からないが世界とかのこと?,世界は私が悩もうが関係ない)

1-24 「イーシュラワ」とは「クレーシャ(苦悩)」などから自由な「プルシャ(自己の本質)」である.(苦悩があろうがなかろうが,それが大きかろうと小さかろうと,私は私)

こうして復習してみると「イーシュラワ」の意味がいまいち,イーシュラワに瞑想するといわれても,イーシュラワが分からんと出来んな.

第二章サーダナ・パーダ(練習の章) 心の方向性を定めるための練習方法
パタンジャリはこの章でヨーガのゴールを達成するのに障害となる「クレーシャ(苦悩)」の本質について述べている.そして苦悩から自由になるために「身体,心,感覚器官」を修めていく瞑想のプログラムであるアシュタンガヨガの最初の5つのステップとなるヤマ・ニヤマ・アーサナ・プラーナーヤーマ・プラッテャーハーラについて紹介している.

2-1 タパス(規律),スワーデャーヤ(聖典の勉強),イーシュラワプラニダーナ(イーシュラワへの敬愛,理解)(世界を認めて感謝すること)を合わせてクリヤーヨーガ(カルマヨーガ:生き方)という
ここで言われる規律は縛りつけるものではなくスペースをくれるもの,選択肢が多い現代は一見自由にも見えるが,実は現代人は一日で70回も選択をさせられている,選択のために考えなければいけないので,かえって不自由である.規律があって選択肢が少ないほうが実は自由な時間が取れる.ステーブジョブスは毎日,ジーンズにクロのハイネックしか着なかった,それは毎日重大な選択をしなければいけない立場で,服を選ぶのに考えをめぐらすのはもったいないと判断したから.

2-2 このクリヤーヨーガを実践することで「クレーシャ(苦悩)」の影響を最小限にし,知識を得るために落ち着いた心を養う

2-3 アヴィッデャー(自分の本質についての無知),アスミター(自我),ラーガ(好き),ドヴェーシャ(嫌い),アビニヴェーシャ(死への恐れ)が私たちにとってのクレーシャ(苦悩)である.

2-4 アヴィッデャーが他の4つの原因であり,その苦悩の度合いにはそれぞれ4つのレベルがある.

2-5 ヤマ,ニヤマ,アーサナ,プラーマーヤーマ,プラッテャーハーラ,ダーラナー,デャーナ,サマーディを「アシュタンガヨーガ」という・

ヤマ,ニヤマを毎日実践しよう
・毎朝「今日は○○を実践します」という誓いを立てる.
・実際に行なってみて自分の行動がどのように周囲の人や環境に影響をあたえるかを確認する.
・他に選択肢があるかどうかを確認する.
・ベターチョイスを行なっていく.

2-30 ヤマについて:すべきではないこと,自分が気が付かずにやってしまっていることに気が付いてやらない選択をする.
・アヒムサー(非暴力):調和の生きかた,他者の痛みに気がつくための自分のための練習である.人・生き物・環境を傷つけない.身体,心,言葉,愚痴,文句,恨み
・サッティヤン(正直):嘘や誠実でない言葉を話さない
・アステーヤ(不盗):時間,やる気,能力,成長のチャンス
・ブラフマチャリア(禁欲):欲に流されない,インドでは学生のことをさす,男女平等
・アパッリグラハ(不貪):必要以上のものを持たない,人は不安があるから溜め込む,持たなくても大丈夫であることを知る,自分の強さになっていく,定期的に断食をしていれば震災で食糧難になってもすぐにはあわてることは無い.

2-32 ニヤマについて:すべきこと
・シャウチャン(清潔):内側も外側も,清潔であること,毎日服を着替える,おしゃれである必要は無い
・サントーシャ(知足):今の状況に満足すること,どんな小さなことでも満足すること,比較するから足りないと想ってしまう,人と比較しない
・タパス(規律):規律ある生活をする事,変化が起こるとき,熱という意味もある,何かを成し遂げようとするときの変化のエネルギーが生まれる.
・スワーデャーヤ(読誦):聖典の勉強をすること
・イーシュワラプラニダーナ(神への帰依):大きな力を理解し受け入れること,シャバーサナなどはヨガの後のありのままの自分を全て受け入れる

2-33 もし感情に流されてヤマ,ニヤマを守れ無そうなときは,ふさわしい理由付けに基づいてよく考え正しい答えを出しなさい
これはいまいち理解不能だが,感情の癖を乗り越えるために,反対の行動をとりなさいということ,例えば嫌いな人がいていつも避けているなら,好きな人にしている態度をとりなさい,毎日毎日,嫌いでも自分から挨拶をしていく,あえて避けている行動をとりなさい,感情の癖が直っていく,本当の自分は自分で好き嫌いは無い,嫌いだと想っているのは自分の感情

2-46 アーサナ(ポーズ)は快適で安定したものをとる,,,瞑想中に体が痛くないようにするものである.

2-49 プラーナーヤーマ(調気法)について:アーサナが整ったた,呼吸の流れを整えていく

2-54 プラッティヤーハーラ(制感)について:外の対象物に向いている感覚器官を引き戻し,心に注意を向ける.

ここまでの5つは外側のヨーガ,この先の第三章からの3つが内側のヨーガとなる.

第三章 ビブーティ・パーダ 

3-1 ダーラナ(集中)について:心を乱している不要な思考をひとつの対象に集中させていくこと

3-2 デャーナ(瞑想)について:思考が瞑想の対象から外れたら戻し,ひとつの対象に保つこと

3-3 サマーディー(三昧)について:思考が対象物にとどまる瞑想状態をいう,それはまるで心が「変わりゆくもの」という本質を失ったかのようでもある.本当の自分と繋がる.モークシャ(ゴール)ではない,モークシャに繋がるステップ

哲学3の講義はここまででしたが,ヨガスートラの概要とエッセンスについてでして,なかなかです.
とにかくアシュタンガヨーガで最も大切なのは,ヤマ・ニヤマとのことでした,ポーズや瞑想は訓練すれば出来るけど,現代人にはヤマ,ニヤマの習慣が薄れているので最も難しいのである.