はるみのちょっとTea-time

日々の暮らしのなかで感じたこと、市民運動のことなどわたしのことばで、つづります。

配偶者控除はどこへ行く?

2010-12-06 | ジェンダー関連

2010年12月6日(月曜日)
最近、女性と政治についての取材が増えてきている。
福井県女性議員の会・会長という肩書のせい(おかげ?)である。
福井県の県議会に女性議員がいない日本でただ一つの県なのも、
けっこう注目を浴びている。

女性議員を増やしたいと願う一方で、女性なら誰でもいいのか・・・
という問題が常に付きまとうのも事実だ。

男女平等やジェンダーに無関心な女性議員なら、
いないほうがましだから・・・

さて、今日の毎日新聞の社説・・・配偶者控除を取り上げています。
お約束は守ってほしいですね、ほんとに・・・

社説の前に、女性と貧困ネットワークが3日に出した声明文を
読んでいただくと、より配偶者控除の廃止について
理解が深まるものと思います。

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 配偶者控除の廃止に向けての声明

              2010年12月3日
            女性と貧困ネットワーク
            千代田区神田神保町2-28
                          
私たち「女性と貧困ネットワーク」は、シングルマザー、シングル女性、
女性労働者、路上生活女性、レズビアン、外国人女性、高齢女性、障害女性など、
貧困にさらされる女性たちがつながり、ジェンダーにもとづく
女性の貧困化と経済的不安定化およびそのことがもたらす
様々な問題の解決をめざして活動する女性たちのネットワークです。

現在、子ども手当の財源に関連して、
配偶者控除の見直しについての議論が行われています。
報道によれば、来年度の子ども手当上積み分の財源として、
配偶者控除の所得制限を設けることなどが検討されているということです。

私たちは、配偶者控除について、廃止すべきだと考えます。
また控除から手当へという流れについても歓迎します。

配偶者控除とは、所得38万円以下(年収103万円以下)で
所得税を納める必要が無い人に関し、
その配偶者も控除が受けられる所得税の中の制度です。
この制度は、国民年金第3号被保険者制度などとともに、
夫が外で働き、妻は家事・育児・介護を担うという、
性別役割に基づく片働き世帯を優遇する社会構造を維持・強化し、
103万円の壁と言われるように女性の就労の抑制と
非正規雇用化・低賃金化をもたらし拡大してきました。
それは特に、ひとりで生計を立てるシングル女性やシングルマザーに対して、
過酷に作用してきました。

税や社会政策は、シングルであっても結婚していても、
配偶者に扶養されていてもいなくても、子どもがいてもがいてもいなくても、
離婚等でシングルマザーとなっても、不利とならない、
性や生き方に中立な政策でなくてはなりません。
この観点から配偶者控除の廃止をすべきです。

また、私たちは所得税の基礎控除を大幅に上げて、
一人の人間が生きていく最低基準まで課税最低限度を上げることも
視野に入れるべきだと考えます。
ひとりの人間が働いて人間らしく暮らせる、
あるいは働けなくても安心できる保障がある、
そんな社会を築いていきたいと思います。

   ******************************


配偶者控除 「廃止」の約束どこへ?
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20101206k0000m070103000c.html

民主党政権にもう一度問い直したい。
国民に約束した「控除から手当へ」の原則は一体どこへ行ってしまったのか。

子ども1人当たり月1万3000円の給付で今年度スタートとした子ども手当。
11年度からは満額の2万6000円に引き上げられるはずだったが、
財源不足から、7000円上積みし月2万円とすることが
厚生労働、財務など関係5閣僚の間で合意された。
約束より6000円少ないだけでなく、
上積み分の受け取りは3歳未満に限定した。

これによって必要となる追加財源は年約2400億円に抑えられる。
ところが、それでも何を財源に充てるかが、いまだ政府・民主党内で決まっていない。

負担増を国民に求めるのが嫌だから、
「すべての子どもを社会全体で育てる」という理念を曲げ、
子ども手当に所得制限を設けるといったことも検討されてきた。

しかし、理念を曲げるわけにいかないということからだろう。
所得税の配偶者控除と成年扶養控除の縮小で財源を捻出する案が有力になったという。
ただ、最終的にそうなるのかは、不透明な要素も残る。

民主党は、政権交代前のマニフェストに
配偶者控除や扶養控除を廃止すると明記していた。
ところが廃止への反発を恐れ、配偶者控除や成年扶養控除は存続させたまま
子ども手当の実施に踏み切った。
「控除から手当へ」というより「控除も手当も」である。

今や共働き世帯の数は、働く夫と専業主婦の世帯を大きく超える。
特に所得の低い世帯は、共働きなしで家計を支えるのが困難だ。
配偶者控除の適用割合を所得別にみると、年収200万~300万円の所得者で
10%に満たないのに対し、年収1000万~1500万円では6割を超える。
夫だけの収入で十分な生活水準を維持できるためと考えてよい。

配偶者が働かなくてもやっていける世帯が一般的に優遇され、
共働きをしなければ暮らしていけない所得層には恩恵が及ばない制度は
やはりおかしくないか。

さらに、男女共同参画社会を目指すというなら、公約通り廃止するのが筋だろう。
成年扶養控除についても同じだ。
障害などによりどうしても働けない配偶者や扶養家族については、
別途、給付という形で支援できるように工夫すればよい。

一度に廃止するのが困難なら、控除対象に所得制限を設け、
高額所得世帯を対象から外すことも暫定的な策としてやむを得ない。
その場合、最終的にどのような負担と給付の関係にするのか、
きちんとした制度設計を整えておくことが肝心だ。

 

コメント
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