2010年12月21日(火曜日)
何日か前、福井県は子どもたちの体力作り(?)でも
日本一になった・・・というニュースがあった。
休み時間に持久走をしたり、縄跳びをしたり・・・
せっかくの休み時間なのに・・・と思うのはわたしだけかしら?
スポーツが苦手な子にとっては、泣きたくなるような体力づくり。
走るより、本や漫画を読んでいたい・・・とか
絵を描いていたい・・・音楽を聞いていたい・・・
と思っても、みんなでがんばろう! と号令をかけられ
ハッパをかけられ、イヤイヤ・泣き泣きしている子もいる。
福井県の教育委員会の先生方はきっと、鼻高々・・・なんだろな~
学力も体力も「日本一」だから・・・
子どもたちひとりひとりの個性を伸ばそう!と言いながら
個性の強い子どもは、のけ者にされる学校・・・
勉強やスポーツができるとほめてくれるけど、
レゴブロックでいろんなものが作れても、
そんなもんする時間あったら勉強しなさい! と叱られるのがオチだ。
読売新聞の青木さやか記者が書いた若越余話を紹介します。
日本一をほめたたえる記事ばかりの中、
こういう記事に出会うと、ホッとします・・・
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukui/news/20101218-OYT8T00650.htm
若越余話
休み時間は体育の時間?
福井が小中学生男女でいずれも1位を独占し、
「4冠」を達成した全国体力テスト。
教育関係者が「授業以外の時間を使って体力向上に取り組んだ結果」と喜び、
誇らしげに語る言葉の一つ一つを、少し複雑な気持ちでメモしていました。
初任地の福井で4年目の記者生活。
「学力、体力、日本一」という県の施策を取材する度に、
県教委や先生たちが熱心に取り組んでいる様子が伝わってきました。
それに応えようと努力する子どもたちの姿も。
県内の多くの小学校では、子どもたちが休み時間や授業開始前の空き時間を使って、
縄跳びや持久走などの体力作りに励んでいます。
学校ごとに「弱点」を補強する独自のプログラムに沿って。
しかし、先日取材で訪れた小学校で、ある男の子から
「本当は、休み時間は別のことをやりたいけど、
先生が言うから仕方なくて……」という声を聞きました。
これまでの学校関係者らへの取材では、授業以外の体力作りや学力アップの補習など
「4冠」達成の原動力となった数々の取り組みに、
疲れ果てている子どもたちが少なからずいることを見聞きします。
学力、体力の涵養(かんよう)は大切で、努力するのもしかるべきでしょう。
しかし、目標達成の取り組みが、子どもたちの自由な発想と行動を
阻んでいるかもしれないという、危険性にも目を凝らしてほしいと
願わずにいられません。
休み時間なのに、みんなで一斉に走る、跳ぶ――。
福井では当たり前の光景にも「なんで?」といった素朴な疑問を発した
子どもはいなかったでしょうか。
そんな子どもの声にも耳を傾けてくれるような学校に
自分の子どもは通わせたいと感じました。
20歳代独身。当分、子育ての予定はありませんが……。(青木さやか)
(2010年12月19日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukui/news/20101216-OYT8T01056.htm
体力自慢 福井っ子 全国テスト 合計点1位
「握力」今回も振るわず
県内の小中学校男女の合計点がいずれも1位となり、
「四冠」を初めて達成した全国体力テスト。
「50メートル走」や「立ち幅とび」など各種目で1~3位をほぼ独占するなど、
昨年度の三冠に続いて「体力日本一」の実力を見せつけた。
一方で、今年も結果がふるわなかった「握力」の強化が、
今後の重点課題になりそうだ。
今回から抽出方式で行われ、県内の小中学校313校のうち、
35・5%にあたる111校が参加した。
小学5年、中学2年の児童・生徒計5624人分の結果が反映されている。
種目別では、「反復横とび」が小中男女でいずれも1位を独占。
「50メートル走」では、中学男子が7・80秒と全国平均(8・04秒)を
大きく引き離すなど、中学女子を除いて1位を獲得した。
「立ち幅とび」「持久力」でも上位に入るなど脚力や瞬発力、
俊敏性が求められる種目で好結果が出た。
県教委スポーツ保健課は「日頃の運動指導と生活習慣の良さ」と分析。
有識者や体育教諭からなる「県体力向上推進委員会」の指導で、
総合学習や休み時間に校庭を走ったり、縄跳びをしたりするなど、
体力向上の独自プランを持つ小学校は205校のうち144校に上るという。
また、同テストと同時に行った肥満度に関する調査で、
「正常」な体形の子どもの割合がいずれも90%を超え、小学女子が全国1位、
小中男子がいずれも2位になった。
県教委は、健康的な体づくりも「四冠」達成の要因の一つとみている。
一方、「握力」は、中学女子5位を除き、小学男子が11位、同女子が18位、
中学男子が11位と、他の種目に比べて3年連続で、順位が低かったため、
同委員会で、今回の結果を踏まえ、改めて、家庭や学校でできる
握力強化の取り組みについて話し合うという。
(2010年12月17日 読売新聞)