まずは土曜日の葵S。勝ったのは、リアルインパクト産駒の牝馬モズメイメイ。ロケットスタートでスピードを活かした逃げへ。前半3ハロンのラップは33秒9で流れる展開に。直線に入るとスピードを加速、後続を突き放して逃げ切りを図ります。好位からビッグアーサー産駒ビッグシーザーとドゥラメンテ産駒ルガルが迫りますが、3/4馬身差をつけて快勝。良の勝ちタイムは1分7秒1。2着にはルガル、クビ差の3着にビッグシーザー、1馬身1/4差の4着には、ビッグアーサー産駒ブーケファロス。
勝ったモズメイメイは、チューリップ賞に続く重賞2勝目。前半3ハロン33秒9、後半3ハロン33秒2という完璧なレース運びで3歳スプリントチャンピオンに輝きました。葵Sを1分7秒台で勝ったのは初のケースであり、秋のスプリント路線でも活躍が期待できると思います。2着ルガルも地力を見せました。次が楽しみ。3着の1番人気のビッグシーザーは、出来れば前に馬を置いて脚を溜めたかったところ。次走の巻き返しに期待いたしましょう。
次に目黒記念。勝ったのは、キングカメハメハ産駒の6歳牡馬ヒートオンビート。中団待機で脚を溜めます。逃げたディープインパクト産駒ディアスティマの前半1000mラップは1分2秒0とスロー。直線に入っても、ディアスティマのスピードは緩まず、そのまま押し切りに入ります。馬場の中央からヒートオンビートが、大外からはディープインパクト産駒サリエラが追い込んできます。ゴール前でヒートオンビートがディアスティマをアタマ差だけ捉えて勝利。良の勝ちタイムは2分30秒2。2着ディアスティマから3/4馬身差の3着にはサリエラ、3/4馬身差の4着にはゼッフィーロ、1/2馬身差の5着にプラダリア。
勝ったヒートオンビートは嬉しい重賞初勝利。GⅠGⅡ部隊の善戦マンがようやく勝ちました。それにしても、ここもDレーン騎手。凄腕過ぎます。2着ディアスティマは悔しいアタマ差でした。北村友一騎手がまんまと逃げ切ったと見えましたが・・。3着のサリエラは、地力を見せてくれました。仕掛けてからの鈍さが差し切れない理由ですが、ラストの切れ味はさらに鋭くなっており、宝塚記念や、秋のエリザベス女王杯あたりで面白い存在だと思います。
そして東京優駿、日本ダービー。勝ったのは、サトノクラウン産駒タスティエーラ。好スタートから4番手追走へ。逃げたパクスオトマニカの前半1000mのラップは1分0秒4で、そこそこのペースでしたが、1頭の離し逃げでしたので、結果としてレースはスローの瞬発力勝負になりました。直線に入ると、4番手からタスティエーラが持ったままで先頭に立ち、残り200mのところからは、タスティエーラを追いかけて、外からキタサンブラック産駒ソールオリエンスとハーツクライ産駒ハーツコンチェルト、内からはロードカナロア産駒ベラジオオペラの3頭が襲い掛かりますが、ゴール前ではタスティエーラがクビ差だけ凌いで勝利。良の勝ちタイムは2分25秒2。2着にはソールオリエンス、ハナ差の3着にハーツコンチェルト、ハナ差の4着にベラジオオペラ、1馬身差の5着には、6番手からモーリス産駒ノッキングポイント。
勝ったタスティエーラは、弥生賞に続く重賞制覇がGⅠ日本ダービー。悔しかった皐月賞2着からの巻き返しとなりました。好位から競馬が出来るため、常に好成績を収めてくれる優等生。3歳世代のトップに立ったので、秋の活躍も楽しみであります。2着の1番人気ソールオリエンスも力を示す内容でした。ただ、皐月賞の時のような切れ味がなかったのは、やはり距離が延びると力んで走る癖のせいか。3着のハーツコンチェルトは、後方から早めに前に進出した松山騎手の好判断が光りました。この馬は距離が伸びた方が良いと思います。
正直、レース全体のレベルは低調と言わざるをえません。Cコースに替わったのに2分25秒2というタイムには不満。もちろん、競馬はタイムだけではありませんが、先週のリバティアイランドの勝ちタイムは2分23秒1。内容的にも、リバティアイランドがダービーに出ていれば完勝だったと思います。ディープインパクトやキングカメハメハの産駒がいなくなった途端、ダービーのレースレベルが落ちてしまったことに、日本の競馬界全体が少し危機感を持つ必要がありそう。
【追加】レース後、倒れてしまったスキルヴィングは、大変残念ながら急性心不全で亡くなりました。やはり、3週間前に府中2400mを2分23秒台で走って、またダービーに出るのは負担が大きいのでしょう。青葉賞はもう1週空けるか、芝2000mに変更する方が良いのかもしれません。
スキルヴィング、安らかにお休み下さい。合掌