今週末には、春のグランプリレースである宝塚記念が、阪神競馬場で開催されます。
ところで、この宝塚記念、6月最終週という時期の問題や、梅雨のため重馬場になりやすいことから、時のチャンピオンホースが出走を見合わせることが多いのです。
例えば、先般、顕彰馬に選定されたGⅠ9勝の名牝アーモンドアイ。現役時代の2歳~5歳と大きな怪我もなく走り続けましたが、宝塚記念だけは最初から見向きもせず、春の目標は、ドバイターフ⇒ヴィクトリアM⇒安田記念と、馬場の良いスピードが活きる舞台を選択しておりました。また、無敗の三冠馬コントレイルも、敢えて馬場が悪化する舞台を避けて、このレースは見送りました。あのスタミナ豊富なフィエールマンですら、天皇賞春にピークを迎えていたことで、このレースは最初から見送る選択ばかりでありました。
ところが今年は、昨年のチャンピオンホースであるイクイノックスが出走してきます。しかも、3月にドバイシーマクラシックを逃げ切り勝ちを収めて、きっちり休養を取った上で、このレースを目標に改めて仕上げてきました。もし、この秋に欧州遠征を計画するのであれば、ここで1回ピークを作ることはやめて、秋に向けた放牧という選択だったと思いますが、イクイノックスの秋の大目標はジャパンカップ。5億円の優勝賞金に加えて、同一年のドバイシーマクラシック勝利と合わせたボーナス3億円を取りに来ているのです。だったら、春にもう1回、国内で走ってGⅠ勝利を稼いでおくか・・ということのようです。
今年の宝塚記念には、天皇賞春を勝ったジャスティンパレスや、天皇賞春のレースを引っ張った立役者で、昨年の菊花賞馬アスクビクターモアも参戦。イクイノックスだけでなく、ドリームレースに相応しいメンバーが揃いました。敢えて言えば、ここに昨年のダービー馬ドウデュースが参加してくれていれば、真のNO.1決定戦と言えたと思います。
もし、ここをイクイノックスが勝つようであれば、父キタサンブラックを彷彿とさせる歴史に残るチャンピオンホースの誕生になると思います。
しかし、過去を振り返ると、ドバイ帰りのスーパーホースが、何度も苦杯を嘗める結果に終わっています。ブエナビスタ然り、ジェンティルドンナ然り、ドゥラメンテ然り。簡単な道のりではありません。
さぁここで、イクイノックスが世界NO.1の力を見せつけて、秋のジャパンカップで、3歳の猛牝リバティアイランドの挑戦を堂々と受けることになるのか⁉
それとも、キタサンブラックやジェンティルドンナと同様に、阪神の激しい消耗戦に力尽きてしまうのか⁉
注目の宝塚記念は、6月25日(日)の阪神競馬場、15時40分発走であります‼