金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【英仏ダービー回顧】 ディープインパクト産駒のオーギュストロダン 英ダービーを制覇!

2023-06-06 02:43:27 | 競馬

 まずは6月3日(土)に行われた伝統の英ダービー(GⅠ:芝2410m)勝ったのは、ディープインパクト産駒オーギュストロダン中団後方待機で脚を溜めます。1番人気のフランケル産駒アレストが、前々の位置でレースを引っ張る展開になりましたが、直線に入ると、好位から伏兵のウートンバセット産駒キングオブスティールが抜け出します。それを目掛けて、後方から猛然と追い込んできたのが2番人気のオーギュストロダン。ゴール手前100mのところでキングオブスティールを交わして、1/2馬身差をつけて快勝。良馬場の勝ちタイムは2分33秒88。2着キングオブスティールから4馬身3/4差の3着には、ユリシーズ産駒ホワイトバーチ。ダービートライアルを勝って人気だったアレストとミリタリーオーダーは、それぞれ10着、14着に敗れました

 

 

 勝ったオーギュストロダンは、前走の英2000mギニー12着と大敗したあとからの巻き返し。2歳時からダービーの大本命として期待されていた逸材が、本番で名誉と栄冠を取り戻した形。次走は愛ダービーになる見込み。もし愛ダービーも勝つことになると、その先には、ロイヤルアスコットのキングジョージ6世&クイーンエリザベスS、そして秋の凱旋門賞を目指すことになるでしょう。

 なお、種牡馬ディープインパクトは、毎年欧州で走らせる産駒は数頭に過ぎませんが、これまで英2000ギニー(サクソンウオリアー)、英ダービー(オーギュストロダン)、英オークス(スノーフォール)、仏1000ギニー(ビューティーパーラー)、仏ダービー(スタディオブマン)、仏オークス(ファンシーブルー)、愛オークス(スノーフォール)と、英仏愛の3歳クラシックレースだけでも7つのGⅠを勝利しています。

 欧州の競馬サークルがこぞってディープインパクトの血を欲しがるのは、すでにサドラーズウェルズ⇒ガリレオによって偏った血脈に支配されている欧州競馬界に、日本史上最高の種牡馬の切れ味とスピードを組み合わせて、新時代の幕開けを実現したいから。まさに、ガリレオ×ディープインパクトの大陸間の融合によって、歴史を作ろうとしている訳であります。その結晶と言えるのが、このオーギュストロダン。ガリレオもディープインパクトも失った今、この馬が欧州競馬の救世主となるのかにも注目であります。

 

 

 そして6月4日(日)に行われた仏ダービー(GⅠ:芝2100m)勝ったのは、5番人気のクラックスマン産駒エースインパクト最後方待機で脚を溜めます。圧倒的1番人気のロックオブジブラルタル産駒ビッグロックが逃げて流れを作ります。良馬場でスムースな流れでレースは展開直線に入ると、ビッグロックが後続を突き放して、そのまま逃げ切りを図りますが、大外からエースインパクトが猛然と追い込んできて一気にビッグロックを交わします。そのままビッグロックを3馬身1/2差突き放しての圧勝。良の勝ちタイムは2分2秒63。2着ビッグロックから2馬身1/2差の3着には、4番人気のムハラー産駒マルハバヤサナフィ。なお、3番人気だったハーツクライ産駒コンティニュアスは、残念ながら8着に終わりました。

 

 

 勝ったエースインパクトは、無敗の4連勝で仏ダービーを制覇(まるでディープインパクトのような最後方からの差切り勝ち!)しかも3馬身1/2差をつけた完勝ですから、欧州3歳牡馬路線としては、英ダービーを鮮やかに勝ったオーギュストロダンと並んでトップに立ったと言って良いでしょう。次は愛ダービーに行くのか、それとも2000m路線を歩むのか、陣営は悩みどころだと思います。個人的には、オーギュストロダンとエースインパクトの対戦というのも、ぜひ見てみたい気がいたします。

 また新種牡馬クラックスマンは、初年度産駒で早速クラシックホースを出した訳で、順調な滑り出しと言えます。ちなみに本来、この場には、サクソンウォリアー産駒ヴィクトリアロードが参戦するはずでした。ヴィクトリアロードは、昨年秋の米国BCジュベナイルターフ(GⅠ:芝1600m)を勝って、この春は仏2000ギニー、仏ダービーを目指す予定でしたが、体調が整わず不出走となってしまいました。サクソンウォリアーとしては、新種牡馬の争いでも、クラックスマンに先を越された形になりました。

 

 


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