金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【金価格が高騰中!】 「世界情勢不透明」が理由と言うが、実のところは「中国人の買い」⁉

2023-09-07 01:12:10 | 金融マーケット

 金価格が高騰しています。

 金1gが大体1万円ですから、金1㎏の延板が約1000万円確か自分が20代の頃の金価格が、金1㎏で100万円から200万円という相場だったと思うので、当時からすると5倍~10倍に値上がりしていることになります。まぁ、当時のNYダウが2000ドル近辺だったことを考えると、北米株は15倍~17倍になっているので、それに比べれば、大したことはないと言えますが・・。

 

 ところで、金が上昇する理由は何か?

 金は工業品の原材料ですから、まずは工業生産の指数に反応します。ただし、これらは計画的な生産が為されているため、それに合わせて金の供給も調整されます。したがって、短期的な変動要因は、やはり、金独自の市況ということになります。特に、世界の基軸通貨であるドルに対して、何らかの不安が生じてしまうような世界情勢が発生すると、世界中の投資家は、ドル売り⇒金買いに走ります。戦争だとか、天変地異の時に、金が買われるのはそうした理由から。

 さて、現時点で、そのような原因があるのでしょうか。もちろん、ウクライナ戦争やコロナ騒動は、立派な金価格高騰の理由になると思いますが、この程度の要因は、常に世界中に発生しているとも言えます。それ以外に、構造的な理由があるのかどうか?

 

 これは、ワタクシの私見であって、マーケットのコンセンサスではないのですが、中国人の金購入が、今回の価格高騰の背景にある気がしています。

 リーマン・ショック以降の世界経済を牽引してきたのは、中国経済の成長力でありました。それに伴い、世界の基軸通貨はもちろんドルでありましたが、第2の基軸通貨は、中国の元、と言えるくらい、中国を中心とした決済マーケットが膨らんできたことは事実であります。

 それが、昨日も言ったとおり、中国経済が構造的に変貌期を迎えて、またアメリカ主導で半導体やAI技術等の輸出禁止措置が取られたことにより、急速に中国元の価値が揺らぐ状況になっています。

 

 中国共産党幹部をはじめ、中国の超富裕層のファミリー資金は「兆円単位」。もちろん、万が一の時のことを考えて、ドル資産などに分散していますが、ドル資産はアメリカによって凍結されるリスクもあるので、最後に信じられるのは、やはり「金」。ちなみに、昔から中国人および華僑の人たちは、もとより国を信じていませんので、貯蓄は原則として「金」に頼る伝統がありました。いざとなれば、金貨をため込んだ大きな壺を抱えて、国外へ逃亡するというのがパターン。

 2022年10月の中国共産党大会における習近平総書記の3選と、前総書記の胡錦涛氏の退場事件を見るにつけても、中国国内での『将来不安』、特に超富裕層が感じている『将来不安』の大きさは、想像に難くありません。

 

 中国の超富裕層のファミリー資金の脱中国が始まっており、これが金相場を動かしている・・

 都市伝説のような、まさかの事情が、金相場の背景にある気がしてなりません

 


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