9日10日に開催された竜王戦第3局は、激戦の末、挑戦者の豊島名人が3連勝を飾り、竜王位奪取まであと1勝となりました。
織田信長に例えるならば、足利義昭を担いで京都に入る寸前といったところでしょうか。まだまだ天下布武とは言えませんが、竜王・名人を独占したとならば、戦国大名の京都上洛ぐらいの価値と同等でしょう。歴史的には、谷川・羽生・森内の3名しか成し遂げていません。ちなみに、3名とも永世名人ですぞ。
それにしても、今年のタイトル戦はほとんどが挑戦者の勝ちばかり。棋王戦で渡辺明棋王が防衛に成功した以外は、すべて挑戦者の勝利となっています。それだけタイトルホルダーは、研究の対象にされやすいということなのかもしれません。
しかし、豊島名人もウカウカしていられません。A級順位戦では、渡辺三冠が無傷の5連勝となっており、初の名人挑戦へ驀進中です。さしづめ、上洛した信長を討つべく、甲斐から出てきた武田信玄のようです。
ここからの将棋界、冬の闘いも目が離せません。