ブダペスト国立工芸美術館名品展
『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』
出展作品のご紹介⑪
チャールズ・ジョン・ノーク
ロイヤルドルトン社「スコッチテリア像」1904–1910年 ブダペスト国立工芸美術館蔵
皆様こんにちは
今回は福島県立美術館にて開催中のブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』に出展している作品紹介の第11回目
本日はロイヤルドルトン社の美術監督、チャールズ・ジョン・ノークによってデザインされた「スコッチテリア像」です
作品紹介の前にロイヤルドルトン社とチャールズ・ジョン・ノークとについてご紹介いたします
*ロイヤルドルトン社
1800 年に創業したクリームウエア工場。
主に家庭用陶器、実験器具、衛生陶器を製造していました。
1891年、衛生用品と建築セラミックの分野で世界最大の企業となり成功を収めました。
☆クリームウエアとは?(フランス語ではファイアンスフィーヌと言います。)
⇨白、クリーム色あるいは象牙色の多孔質の素地(細孔が非常に多く空いている材料)に透明で光沢のある釉薬を掛け、上絵付け、下絵付け、あるいは転写技法による絵付けを施した陶器のこと。
1760年頃、イギリスの陶芸家であった ジョサイア・ウェッジウッド(イギリス最大の陶器メーカー「ウェッジウッド」の創設者)が既存の陶器の素地に白色粘土とフリントを混入し、鉛釉をかけて焼成してクリームウエアを作り出しました。
廉価で製造工程を機械化することができたため、ヨーロッパ中に広まりました。
*チャールズ・ジョン・ノーク (1858–1941)
イギリスの彫刻家、陶器デザイナー。
1873 年からウスター・デザイン・スクールで学び、その後、同地で型師として16年間働きます。
(型師⇨鋳物を鋳造するときに、溶かした金属を注ぎ入れる型をつくる人)
1899 年にロイヤルドルトン社のデザイナーとなり、のちに美術監督に就任します。
工場の製造工程も監督してデザインと製造に革新的な変革をもたらし、ロイヤルドルトン社をイギリス屈指の陶磁器製造所に成長させました。
さて、作品を観ていきましょう
真っ赤な色をした「スコッチテリア像」
がっしりした細長い身体に短い脚、ぴんと立った耳が特徴的で、今にも動き出しそうですね
この赤い色は、中国の「牛血釉」という釉薬からインスピレーションを得ているそうです。
(牛血とは、牛の血のような赤色を表してします。)
スコッチテリアは、今日ペットとして飼われるようになりましたが、元々はスコットランドのハイランド地方で有害な野生動物を駆除するために飼育されてきた勇敢で頑強な狩猟犬でした。
牛血釉を使うことで強さを表現したのかもしれません
次のブログでも素敵な作品をご紹介いたします
どうぞお楽しみに
福島県立美術館にて開催中のブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月19日(日)〜5月6日(水)の間、休止いたします。日程は変更になる可能性がございます。最新の情報は福島県立美術館の公式ホームページをご確認ください。
福島県立美術館
〒960-8003
福島市森合字西養山1番地
Tel.024-531-5511
開館時間
9:30-17:00(最終入館は16 : 30まで)
休館日
月曜日(ただし5/4(月)は開館)
観覧料
<一般>
1,300円(当日) /1,100円(前売り・20名以上の団体)
<大学生・専門学校生>
1,100円(当日) /900円(前売り・20名以上の団体)
<小中高生>
650円(当日) /500円(前売り・20名以上の団体)
交通アクセス (JR福島駅東口より)
●電車
福島交通飯坂線→「美術館図書館前駅」下車(徒歩2分)
●バス
9番バス乗り場より、福島交通ももりん2コース→「県立美術館入口」下車(徒歩3分)
詳しくは福島交通ホームページをご覧ください(外部ページへリンクします)
●タクシー
約5分
本展覧会は今後石川、山口、東京に巡回する予定です
その他の展覧会情報につきましては、アートインプレッションHPにて随時更新しております