印象派の風景 1850-1920
~木を巡る物語り~
コローからマティスまで
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~木を巡る物語り~
コローからマティスまで
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ポール・シニャック《サントロペ、カヌピエの浜辺の松の木の傘》1897年
現在企画中の展覧会「印象派の風景画 1850-1920」展。
この展覧会はフランスのピサロ美術館長、クリストフ・デュヴィヴィエ氏の監修のもと、フランスを中心とする美術館及び個人所蔵作品から構成されます。
〈樹木〉というモチーフを通して、19世紀から20世紀に至る印象派とその前後の時代におけるフランス風景画の変遷を辿ることがテーマとなっていますが、一口に〈樹木〉と言っても、その描かれ方はまさしく十人十色。
作者や時代に合わせて留まることなく変化し続けています。
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カミーユ・コロー《たわんだ木のある池》1865年頃
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アンリ・マティス《オリーブの並木道》1919年
19世紀中頃から約70年の間に、画家たちは自身のアトリエから戸外へと飛び出し、樹木は「背景」から「主題」へと立場を変えました。
ヨーロッパの人々にとって身近な存在であっただけに、視線や技術の変化がいち早く表れた〈樹木〉。
本展では、コローやドービニーといったバルビゾン派から、シスレー、ピサロ、シニャック、マティス、ドニ、セリュジェなど、野獣派にいたるまで、樹木との共生を通して生み出された油彩画約90点をご紹介します。