カミーユ・ピサロについて
突然ですが、「カミーユ・ピサロ」をご存知ですか?
印象派の有名な画家ですので、皆さん一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか
本展覧会では、フランスのポントワーズにあるポントワーズ美術館(カミーユ・ピサロ美術館、タヴェ=ドラクール美術館)の館長、クリストフ・デュヴィヴィエ氏監修のもと、カミーユ・ピサロの作品を出展しています。
カミーユ・ピサロ(1830-1903)は、当時デンマーク領だったカリブ海のセント・トーマス島(現・アメリカ合衆国自治領ヴァージン諸島)で生まれたポルトガル系ユダヤ人です。
1855年に開催されたパリ万国博覧会の美術展で、25歳のピサロはギュスターヴ・クールベやカミーユ・コローの作品に感銘を受け、画家を志すようになりました。
カミーユ・ピサロ《横長の風景、ポントワーズのエルミタージュ》1879年
カミーユ・ピサロ美術館、ポントワーズ Pontoise, Musée Camille Pissarro
Photographie: Musée Camille Pissarro, Pontoise
カミーユ・ピサロ美術館、ポントワーズ Pontoise, Musée Camille Pissarro
Photographie: Musée Camille Pissarro, Pontoise
1874年 春、官選のサロンに対抗して、クロード・モネ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、アルフレッド・シスレー等を中心とする画家たちが、パリで団体展を開催しました。
のちにこの展覧会は「第一回印象派展」と呼ばれるようになります。ちなみにこのときに発表されたクロード・モネの《印象、日の出》という作品が「印象派」という名前の由来となりました。
カミーユ・ピサロは、1874年から1886年まで計8回開催された印象派展のすべてに作品を出品しています。
最後まで欠かさず参加したのは、印象派の中でもカミーユ・ピサロだけだったそうです。
カミーユ・ピサロ《オニーの風景》1887年
カミーユ・ピサロ美術館、ポントワーズ Pontoise, Musée Camille Pissarro
Photographie: Musée Camille Pissarro, Pontoise
カミーユ・ピサロ美術館、ポントワーズ Pontoise, Musée Camille Pissarro
Photographie: Musée Camille Pissarro, Pontoise
お気づきになった方もいらっしゃるかもしれませんが、本展覧会場で何人も「ピサロ」という名前の人物が出てきませんでしたか?
実はピサロには5人の息子がいたのです
息子たちは父の影響を受けて、なんと兄弟全員が画家を目指したのだそうです
本展覧会では、3人の息子の作品を展示しています。
リュシアン・ピサロ《りんごの収穫》1895年頃
カミーユ・ピサロ美術館、ポントワーズ Pontoise, Musée Camille Pissarro
Photographie: Musée Camille Pissarro, Pontoise
カミーユ・ピサロ美術館、ポントワーズ Pontoise, Musée Camille Pissarro
Photographie: Musée Camille Pissarro, Pontoise
こちらの作品を描いたリュシアン・ピサロ (1863-1944) は、カミーユ・ピサロが33歳のときに誕生したピサロ家の長男です。
彼は、印象主義的な作風の油絵や木版画の制作も行い、挿絵等も手がけていました。
絵本に出てきそうな一枚です。
とってもかわいいらしいですね
フェリックス・ピサロ (別名:ジャン・ロック)
《散歩、公園の母と娘》1896-1897年頃 個人蔵 Collection privée
《散歩、公園の母と娘》1896-1897年頃 個人蔵 Collection privée
こちらは三男、フェリックス・ピサロ (1874−1897) の作品。
別名の「ジャン・ロック」という名前は、他の兄弟と区別するためにつけたといわれています。
あたたかな光に包まれて、木立を歩く母と娘の姿が見えますね。
カミーユ・ピサロ同様の自然と光の美しい描写が魅力的です
リュドヴィク=ロド・ピサロ《松(色の書き込みのある山の風景)》1900-1910年
カミーユ・ピサロ美術館、ポントワーズ Pontoise, Musée Camille Pissarro
Photographie: Musée Camille Pissarro, Pontoise
カミーユ・ピサロ美術館、ポントワーズ Pontoise, Musée Camille Pissarro
Photographie: Musée Camille Pissarro, Pontoise
最後は四男、リュドヴィク=ロド・ピサロ (1878-1952)。
彼も幼い頃から絵を描き始め、16歳の頃には雑誌『ル・ペール・ペナール』に木版画を掲載しています。
カミーユ・ピサロ《マトゥランの丘にて、ポントワーズ》
1874年 個人蔵 Collection privée
1874年 個人蔵 Collection privée
現在、カミーユ・ピサロ美術館のあるポントワーズにピサロが初めて滞在したのは、1866年。
一時この地を離れることもありましたが、約20年もの間この地で約300点の作品を描いたそうです。
おそらく、ポントワーズの穏やかな田園風景や農家の人々の様子が彼の創作意欲をかき立てたのではないでしょうか。
1980年、ピサロ生誕150年を記念して設立されたカミーユ・ピサロ美術館には、現在も多くの人が足を運んでいます
ピサロの作品のような美しい風景が広がっていると思うと、ポントワーズに行ってみたくなりますね
カミーユ・ピサロのゆかりの地、ポントワーズの空気を会場で感じてみてください
札幌芸術の森美術館
【アクセス】
◆地下鉄真駒内駅から
地下鉄「真駒内」駅の2番バスのりばから中央バスで「芸術の森入口」下車。
(所要時間:約14分 料金:大人290円、こども150円)
※すべてのバスが「芸術の森入口」に停まります。
◆ JR札幌駅から
地下鉄南北線にて「さっぽろ」駅から終点「真駒内」駅まで乗車。(所要時間:約17分 料金:乗継券で大人420円、こども210円))
地下鉄「真駒内」駅の2番バスのりばから中央バスで「芸術の森入口」下車。(所要時間:約14分 料金:乗り越し料金として大人80円、こども40円)
※すべてのバスが「芸術の森入口」に停まります。
【開館時間】
午前9時45分~午後5時
6~8月は午後5時30分まで開館(入館は閉館の30分前まで)
休館日
4/29~11/3は無休 (11/4~4/28は月曜日休館。 但し、月曜日が祝日の場合は開館し、翌火曜日休館)
詳細は、札幌芸術の森美術館HPをご覧下さい。
http://sapporo-art-museum.jp