人口減少に関する山崎史郎さんの中公新書を読んだ。これからの25年避けられない人口減少社会が待っている。何とかなるだろう、誰かが何とかしてくるだろうなどというのは論外だが、いたずらに心配したり反射的に政府を非難するのは建設的ではない。勿論、批判されるべき所はいくつかあり、国民は眼を光らせていなければならないのだが、この問題に自らが力と知恵を出す用意がなければ、単なる悪口に終わる。
山崎さんの本を読むと、戦後の早い時期から政府は日本の人口動態に関心を持ち、きちんとした計画を立てていたのが分かる。まあ予測は難しいし、正直に書いてあるがいくつかの失策もあり、ここに来て対応に遅れやずれが生じて喫緊性が増している。
いづれにしても、この本を読むと問題は極めて難しいこと、政府官僚はきちんと考えてきていたことがわかる。そして気付かなければならないのは地方自治体や草の根的な個人の発意と行動で人口減少が生む社会現象に立ち向かっている動きがあるということだ。
この一冊だけでは不十分ではあるが、人口減少の抱える問題の広がりと難しさを教えてくれる本だ。そして、社会保障というものが、社会を支えているということも教えてくれる。生活保護をどう捉えているか、その意味価値は何か、自らに問い直させてくれた。誰しも、どこかけしからんという気持ちを持つことがあると思うが、社会の成り立ちに思い至らなければならないだろう。