駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

目から鱗、日本の通史を読む

2018年01月27日 | 

 「明治維新で変わらなかった日本の核心」猪瀬直樹/磯田道史・PHP新書を読んで、目から鱗が落ちた。いい年をしてしばしばよく目から鱗が落ちる。それだけ知識が足りないということなのだが、実は潜在的に考えていた感じていたということでもあると思う。というのは全く基盤がなければ、成る程と合点がいかないからだ。どこかで何だか変だとかそういうことも有るかもしれないと自覚しないで考えていたから目から鱗と理解できた?。

 いづれにしてもこの本を読んで日本が今なぜこうなっているのかということが、歴史という深みを通して理解できた気がする。それにしても、昭和史の知識不足は勿論、鎌倉室町戦国江戸という時代も通り一遍のステレオタイプの見方で、理解していたものだと思う。磯田さんが通史の重要さを強調されているのを重く受け止めた。

 猪瀬直樹さんは外見とものの言い方で、マスコミ的には軽い人物と受け止められがちで同情するが、中々の知識人で深く考えておられる。磯田さんはテレビで拝見したことがあるが、今が旬の該博な知識と分かりやすいプレゼンテーションで歴史を語れる人のようである。

 この本の内容は十分濃いが、対談で史実としては切り取りのところがあり、更に学ぶきっかけとすべきものだろう。全くの門外漢ではあるが網野善彦さんのお仕事など不十分に扱われているのではないかとも思った。

 人間の理解には歴史の知識と考察が欠かせないのに、欠けている人物が政治家をやっているのに驚いてしまう。磯田さんの終わりの言葉は意味深長である。

コメント
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