駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

実力を出す力

2019年11月26日 | 小験

       

  

 今朝は昨日と打って変わった冷たい雨風で、辛いなあとぶつぶつ言いながら出勤してきた。出かけるというのは家から出て異界の世間に出るという一線を跨ぐせいか、意識のスイッチが切り替わるので忘れ物をしやすい。携帯財布二つ鍵が二つというたった五つの小道具なのだが月に一回くらいどれかを忘れる。大きいせいかさすがにかばんを忘れることはない。

 いつもと違う予定があったりすると、頭が先の方へ行ってしまい足元のことに気が回らなくなるのだ。この五つを揃えるのはほとんど無意識にやっているので、よほど急いでいても忘れないのだが、昨日は新規開業の後輩を訪問する予定があったので小銭入れを忘れてしまった。小銭入れがなくてもさほど困らないのだが、どうしてもしまったという気分になってしまう。昼休みに訪問したのだが、普段行かない方向で思いがけず一方通行が多く方向感覚を自慢しているのに迷ってしまった。優れた方向感覚もあせると狂ってしまうのだ。どうも人間はちょっとしたことで普段の力が発揮できなくなる。

 勝負強い人、例えば大山康晴や羽生善治という人はそこが並みの強豪とは違うのだろうと思う。藤井君は羽生以上と言われているが、どうも勝負強さでは羽生さんに及ばないのではないかと思う。羽生さんはここぞという時は振り駒で先手を出させてしまう位の念力と相手を間違えさせてしまうオーラを放っていたものだ。どうも渋野もこうした力を持っていそうだ。

 そこへ行くと凡人の私は約束の時間に五分遅れそうというだけで方向指示器が狂ってしまう。残念だがそれも実力なのだろう。

コメント (2)
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