駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

忍び寄るスタグフレーション

2021年12月05日 | 世の中
             

 景気が悪いのに物価が上がるのをスタグフレーションというらしい。それが日本に忍び寄り、いつの間にか浸透し始めていると観測している。なんでお前に分かるのと言われそうだが、庶民の暮らす駅前の診察室に座り時々街に出るとわかるのだ。
 「お仕事はおいそがしいですか?」、「いいや」と浮かぬ顔で答える人が殆どだ。月に一度行く割烹の大将が来月から****に値上げさせて貰いますと最敬礼、あっそうと何食わぬ顔で頷いたが内心困るなあと思った。
 新型コロナの影響で患者数が10-30%減少している(小児科耳鼻科の落ち込みが大きい)我々の業界も、ワクチン接種で一息つきながらも、診療費が下がると聞いて頭を抱えている。長期処方が定着し、風邪くらいで医者に掛からない、その上診療費が下がれば、開業医の収入は減少し開業医そのものも漸減して医療関係の雇用も減るだろう。その場凌ぎでない政策が打てないとスタグフレーションは現実になると予想する。
コメント
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