物の値段は需要と供給で決まるとされているが、時々妙なことが起こる。いわゆるバブルという現象で実際の価値と乖離した高値が付く現象だ。日本もついこの間(1986-1991)異常な不動産価格高騰のバブルを経験している。経済理論は知らないが群集心理と付和雷同が引き起こす陶酔投機現象と理解して大きくは間違っていないだろう。
バブルと同じように論じると異論はあるだろうが、一本何万何十万という高価なワインを聞くと私なぞはおかしいと感じる。一本二十万円のワインを飲んでそれだけ美味しいと感じるものだろうか、講釈の多いワイン愛飲家に黙って飲ませて分かるかと試してみたくなる。何故ワインを持ち出したかというと日本酒にもやたらと高い値段を付けようとする動きがあるからだ。日本酒には千を越える蔵元があり、和食の店には秋田富山広島・・に地元のものが加わり大抵十種類くらい一合五百円から千五百円くらいで置いてある。三倍程度の差に納まっているから楽しめる楽しみを奪わないで欲しい。獺祭は確かに旨いけれども、べらぼうな値段は御免こうむりたい。見かけても五年前の二倍で二の足を踏むようになった。尤も世の中には使い道に困るほどの金満家が結構居るから止められないだろうな。