駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

騒ぐことではない

2017年04月28日 | 診療

      

 今朝は気持ちの良い朝で新緑と小鳥の鳴き声の中を歩いてきた。鳥がしきりに鳴くのは縄張り争いか恋の季節か、この二十年くらいで鳥の種類は少し変わったようだが、鳥の数が減った感じはしない。どういう勢力図になっているのかは知らないが、一時はカラスがは目立ったがこの頃はさほどでもない。何か対策が打たれたか、どこかへ移住したか、狡賢いカラスは嫌いなので、結構なことだと思う。

 この二十年患者数は定常状態で僅かな上下はあってもプラスマイナス2-3%に収まっていた。ところが数か月前から6-7%の減少を認めている。担当の税理士はどこかに患者が流れているなどと言い、女房も減ってきたとあからさまには言わないが不安心配そうだ。原因はわかっている。一年半前に500mばかりの所に新規開業医院ができたこと、300mばかりの所の医院が隣地を購入し一回り大きい立派なビルの診療所を建てたこと、もう一つは多少私が年を取ってきたせいだ。患者さんは近いところが便利と思うし、立派な新しい建物を好む、そして老医よりも働き盛りの医師を選びやすい。これはどうしようもない真実で、ある割合の患者さんはそうした基準で医院を選ぶのだ。だから患者数が少し減るのはやむを得ないことで、これを食い止めるのは至難の業だ。

 勿論、どんどん減っては困るけれど、多少患者数が減っても問題なくやってゆけるので騒ぐことはない。それにこうした原因による減少は止められない。むしろ6-7%の減少で済んでいるのを褒めて欲しい。私としては、これ以上は減らない、場合により揺り戻しもあるという見通しを持っている。それに、正直今以上働いては寿命が縮む。同年輩の友人を見回しても、世代交代を図ったりして仕事を減らしている医師が多い。鞭打つよりも温存する方針でお願いしたい。これは時の流れ、騒ぐことはない。

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