時及行楽と言う。
渋滞と混雑を避け、少し早めに盆休みを取り、墓参りの足を延ばし、しばし旅の空に遊んだ。
故郷へ巡る六部ではないが、若き日の懐かしい思い出の詰まった街を歩いた。若いから熱に憑かれ、無鉄砲に見境もなく進むことができた。随分変わってしまったが、気恥ずかしくも愛おしい青春の名残が微かに漂う街角だ。
この町に生まれ、センスの良さを自慢していたTは二人の娘を遺して、ついこの間逝ってしまった。
確か、この駅だったと思う、十数枚の十円玉を握りしめ、試合場までの複雑な道順をO先輩のお兄さんに言伝てたのは。たった一度で憶えてくれ、ジーという音と共に電話が切れたのが、昨日のようだ。
確かこの辺りだったと思うといっても四十年以上前の店は殆ど残っていない。しかし新しく生まれ変わっても、贔屓目かセンスの良さが残っている街だと思う。
確かに、交通標識も日本のものです。
海外に旅して、この標識の面白い物に出会うと、得した気分になります。信号も違いますね。