これは秘密というほどのものではないが、診療方針を立てる時にほとんどの医者は患者さんの年齢を考慮に入れている。年齢は暦年齢だけでなく実年齢も勘案するし、家庭環境も多少は考える。口に出してそれとなく相談することもあるし忖度することもある。検査の中には患者さんの心身と懐に負担をかけるものもある。そして万一何か見つかっても全身麻酔をかける手術のような侵襲の大きな治療は難しい超高齢者も居られる。普段からもう手術はしないと宣言しておられる患者さんも居る。勿論、もう十分生きたとか長生きなんかしたくないというのがどこまで本気か難しいところだが、若い患者さんと同じようには深追いしないことも多い。費用対効果も頭を掠める。最近は病気治療最優先の専門医も全体を考えるようになったので、総合病院との意見の食い違いは殆ど無くなった。