テレサテンは時の流れに身を任せと唱った。身を任せがこの歌詞の肝だと思うが、どことなくあきらめの雰囲気が漂っているように感じる。自分の思いや願いが叶わなかったから、周りの動きに従って生きてゆくわということだろうか。どちらかといえば女性の境遇を唱っているようだ。勿論、流れに身を任せてもいつまでも最後までというわけでもなさそうで、何か良い取っかかりがあれば掴まろうという気持ちは残っているのではと思う。
思い浮かぶのが木々希林さんだ。成り行き任せと呟きながら名前も変えられたし、とても成り行きでは成し遂げないことをされた。流れに身を任せているようでも、実は平泳ぎか横泳ぎか知らないが力強く泳いでおられたように思う。成り行きと言われたのは逆らわないようにするという気持ちを表現されたのではと僭越ながら忖度する。平泳ぎも横泳ぎも得意ではないのにどちらかといえば逆らって生きてきた自分としては、身を任せる心境が十分には理解できないが、多くの人特に女性の気持ちなのかもしれない。
話が飛躍するようだが、新型コロナウイルス禍は時の流れの中に現れた杭か島か新大陸のように思える。このままでは良くないと見直す機会と感得する。