ユーチューブを見始めてから半年くらいになる。世の中にはいろんな人がいると再認識させられた。私は市井の医者で開業三十年で三万人くらいの患者さんを診てきた。普通の人より沢山の人を知っているようなつもりでいたが、ユーチューブを見ているとそうでもない、こんなに色々な人が居るのだと自分の知見はさほどでないと気付いた。
海外に住んでいる日本人は人生は一度しかないと強くハッキリ自覚している人が多い印象を受けた。勿論、生まれ育ったところに暮らしている人も人生は一度きりと知っているはずだが、だから自分の思い通りに生きようとはならない人が多く日常生活の忙しさに追われ、思い切って自分の望みをかなえようとする気持ちは薄いようだ。
日本は島国でともすると井の中の蛙的な視野と判断に陥りがちだ。世界各地に生きる日本人の生活レポートをテレビ地上波で放送したらどうだろうと夢想する。アメリカの大平原を走るトラックから見える風景を一時間流したらこんな世界があるのだと視野が広がる。鬼が住む国のように言われているロシアや中国の市場や食堂の様子を一時間ばかり流したら、人間が住んでいると認識も変わるだろう。