駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

過ぐる千年も

2009年01月19日 | ご挨拶
 明日でこのブログを書き始めて1年になる。当初は、利益優先のように言われがちな町医者の実態と気持ちを少し世に発信してみたいと書き始めたのだが、いつの間にか日記というか作文というか、心に浮かんだことを書くようになった。 芳しくない?町医者の評判の方は医師不足問題からマスコミの矛先が厚労省に向いて下火になった。過ぎたるは及ばざるがごとしのマスコミではあるが、医療の実態に目が向けられたことは有り難い。
 実は二、三ヶ月目で書いてもほとんど反応が無く止めようかとも思ったが、読んで下さる方もぼつぼつ出て来られ、何人か知り合いも出来たのでとにかく一年は続けようと頑張ってきた。まあ、広い世界に発信することはどなたかの目に止まる可能性があるわけで、宇宙人からの返信はないにしても不思議な面白さがある。
 それにキイワードで釣れてくるブログは玉石混淆であるが、世界の広さを実感させてくれ、固くなってきた脳をほぐし、唯我独尊になりがちな医師頭を目覚めさせてくれる。
 怪しげなことを書くために匿名しているわけではなく、医師の守秘義務に注意してもいろいろな人が居るので、分からない方がよいと思ってそうした。一体何処に住んでいるどんな経歴の医者か、推理する楽しみも提供しているかもしれない。
 こつこつ書いて来たので、作品と言っては大げさだが多少愛着も沸いてきた。
 
 読んで下さる方に心に残る言葉を一つお贈りしたい。
 「過ぐる千年も、この夜の間の一時(ひととき)に同じ」。

 この言葉の出処をご存じの方はほとんどいらっしゃらないだろう。内科医をしていると、生きていることに感ずることが多々ある。年齢差を超えて同時代人に向けて今しばらく、さまざまな感興を発信して行きたい。
 
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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
一周年おめでとうございます。 (Mikio)
2009-01-19 21:56:04
とても充実した一年間ではなかったでしょうか。
作品としての愛着も当然と思います。
今後も、arz2beeさん流のスタンスを維持しつつ、時にシリアスに時に楽しく愉快に、お続けいただきたいと思います。

最後に、

>過ぐる千年も、この夜の間の一時(ひととき)に同じ

良い言葉を教えていただきました。
しっかりと胸に刻んでおきます。
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お祝いの言葉 (old-dreamer)
2009-01-20 00:08:18
開設1周年、心からお祝い申し上げます。
お忙しそうな日々の中から、硬軟巧みに取り混ぜた人間、社会のご観察、楽しく読ませていただいています。
>過ぐる千年も、この夜の間の一時(ひととき)に同じ
深い意味のある言葉ですね。遠くかすかな記憶で旧約詩篇の一節ではないかと思いました。
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昨年秋から読んでいます (かわい)
2009-01-20 10:23:04
アメリカで暮らす姉のブログにコメントされていたのをきっかけに、駅前糸脈を読むようになりました。
町医者の愚痴も良いし、本の話も好きだし、人物の観察力にも驚いています。
良質のエッセィを読んでいるようで、毎朝楽しみにしています。
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ありがとうございます。 (arz2bee)
2009-01-20 21:59:53
mikioさん エールをありがとうございました。 お互いどこか似ている仕事のような気がしています。いつかパン工房でパンとコーヒーをご馳走になるのが夢です。
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ありがとうございます (arz2bee)
2009-01-20 22:05:29
 old-dreamerさん。こちらこそ、いつも興味深く読ませて頂いています。原典は旧約聖書と思いますが、この言葉を知ったのは「枢機卿」です。
 忙しいのですが、ただ忙しいことも多いので文章を書くのは私には大いなる息抜きでもあります(笑)。
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感激 (arz2bee)
2009-01-20 22:13:52
 火星からではありませんでしたが、たぶん北の都?から思いがけぬお便りに感激しています。患者の愚痴を聞く町医者の愚痴を読んで下さる方がおられた(笑)。
 まさに人生意気に感ずです。
 
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