ユーチューブで鰻丼を旨そうに頬張る外国人を見た。半世紀前までは外国人が日本料理で美味しいというのは天麩羅と相場は決まっていたのだが、だんだん幅が広がり鮨ラーメンにそして21世紀には鰻丼も旨いと認められるようになったらしい。
万国共通の美味と分かっても、鰻丼は高くなりすぎた。五百円は無理としてもせめて千五百円で食べられた昔に戻せたらと思う。今では鰻丼は安くても三千五百円と本当に特別のご馳走になってしまった。
鰻の蒲焼きは地方で微妙に調理法が違う。背開き腹割き蒸す蒸さないの他にも秘伝のタレとあれこれ独特のものがある。実際に東京名古屋大阪福岡で食べたことがある。それぞれ美味しいが私には食べ慣れているせいか芳しくちょっとくどい名古屋の鰻丼が一番だ。残念ながらお値段が上がるにつれ食す回数が減り、この頃は年に二三回に減ってしまった。
しかしこうした嘆きは世界のあちこちで鰻の蒲焼きでなく主食の米飯の方、つまり小麦粉不足で主食のパンが食べられなくなる人達がたくさん出てこようとする現在、平和呆け日本の症状と言われてしまいそうだ。