毎週講演会勉強会を聞きに行く、年に百回くらい聞く。講演会の講師は殆どが**大学教授、準教授である。開業した二十二年前は年上が多かったが、今は全てと言っていいくらい年下である。まあ、年齢のことはさておいて、さすがに優秀だなあと言う人は4分の1くらいで、半分は成る程、残りの4分の1は、何だかよく分からない。
中に物凄くよく喋る講師がおられる。機関銃も顔負けの言葉の乱射で、何を喋っているのか何処まで話したか本人もわかっているのか心配になる。口から言葉が次から次へと溢れてきてしまうのだ。十五秒五語の質問に百五十秒二百語で答えてくださる。
医学の世界でも声の大きい方が優勢と言う場面があり、誰にも分からない病因などの仮説は自信たっぷりに大声で言った方が信憑性が高そうで、追随者が多くなる?ようだ。声の大きさの他に、早口で沢山しゃべると言うのも、才能を感じさせるらしい。言い淀むことなく、何かしゃべりながら考えて正解に辿りつくのは、暫し無言で漸く訥弁で正解を言う人よりも賢いように見える?。
落語家や政治家と同じようにと言えば双方から叱られそうだが、世の中には何か意味ありげなことを早口でしゃべりながら、次の展開を考える才能というのがある。しかしまあ、我々のように数多い講演講義を聞いてきた者には、弾数よりも正確さとわかりやすさですよ、古館一郎も真っ青のN先生。