雨の島
2024年08月25日 | 本
呉明益とゆう人が書いた「雨の島」という小説を読んだ。及川茜さんが翻訳している。これぞ文学と感じさせる幻想的な物語集で台湾にこんな話を書ける人が居るのだ。よくこんな素晴らしい日本語に訳せたものだと驚きながら読んだ。
聊斎志異のある文化圏だから、こうした物語が生まれるのは何の不思議もないかもしれないが、狭い日本に住んで日本は良い国優れた国と喧伝する空気に触れていると知らないうちに近隣諸国よりも日本の文化の方が優れているような錯覚を抱かされていたのかもしれない。
台湾と表現してよいものか分からないが中華民国では私の感覚ではどこのことか分からなくなる。四十年前受け持ったお婆さんの患者さんが「先生、台湾良いとこよ」と話してくれたのが耳に残っている。