ユヴァル・ノア・ハラリとエマニュエル・トッドの本はちゃんと読んだのが一冊ずつ、目を通したのが一冊ずつで、しかもどちらも十分に理解できたかは怪しい。それでもどちらの著書からも目から鱗の思いの刺激を受けた。
ハラリは歴史学者トッドは人類学者(人口学者)という違いはあるが、どちらも人類の現在を読み解こうとしている点では共通している。ハラリは全世界的に読まれているのに対しトッドは日本での読者が多いところはちょっと違う、考え方もかなり違う。
私にはとても二人の本を解説する能力はないが、人間の行動原理がどこから来るのかを理解するのに役に立った気がしている。物事というのは一言では表現したり捉えたりすることはできない。ハラリやトッドの言説の要約は難しく、どうしても一冊丸ごと読まないと人類の有り様への理解は深まらない。
複雑なことを理解するには文庫本一冊程度の言葉数が必要で、反射的な雑言をぶつけ合っても憎しみや親しみは残るけれども、理解にはなかなか繋がらない。ネット社会になり誰もが発信するようになったのはよいが、反射的な言葉の投げ合いが多く、立ち止まって考える機会が減っていると思う。ネットのコメントは八百字以上優先にしたら何かが変わるかも知れない?。