駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

生活習慣は寿命と癌の予後に関係?

2016年06月06日 | 人生

                   

 六月号の文藝春秋を表紙に惹かれて買って来た。表紙の女性は目鼻立ちが整い理知的でありながら情熱を秘めている。華やかで清涼な衣装とスカーフ、そして思いと落ち着きを伝える背景、可能であればいつか本物を見てみたい。

 一年ほど前から文藝春秋に変化がある、柔軟で守備範囲が広がった。そのため、この十年ほどほとんど買わなくなっていたが、時々買うようになった。まず、がん劇的寛解例に学べと百寿を達成する十二の条件に目が行った。自分の経験に照らし合わせ、そうかなそうだなと読んだ。

 ちょっと心配するのは、読者がここに書かれていることをきちんと読まず、鵜呑みで金科玉条にするのではないかということだ。和田、広瀬両医師ともに自分の経験や集積症例は確実で正確なものと自信と責任をお持ちだが、導かれたいくつかの指針や条件が直ちにそのまま、全ての人に適応されるとは主張されていない。大いに確からしいが、まだ十分に検証されていない示唆、仮説の段階にある。活字になると、文芸春秋は信憑性が高いとしても、見出しや表題だけで託宣のように受け取る患者さんが居られるので、注意を喚起したい。尤も、いくつかは早速自分も心掛けたいと思っている。

 和田医師はがんは生活習慣病と思うと言っておられるが、すでに昔から品行方正で質素に暮らす敬虔なあるキリスト教の宗派にはがんが少ないことが知られている。

 面白いと思ったのはがんの場合は甘いものは良くないと書かれているが、長寿者は甘いものが好きな人が多いと書かれていることだ。がん寛解と長寿者では対象が異なるので、直ちに矛盾とは言えないが、甘いもの好きの私はふむふむと読んだ。

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