Y君は同窓会に出てこないのでもう四十年会っていない。今ではただ年賀状をやり取りするだけになってしまったのだが、宛名の荒川区西尾久と書く時、西尾久というのはどんな所だろう下町で町工場などがあるのだろうかと想像することがあった。
不思議なことがあるもので、昨日受診された患者さんがたまたま西尾久に嫁がれ帰省中の方だった。診察を終え、帰り際に思わず西尾久に友達が居るんです、どんな所ですかと聞いてしまった。都電が走っていてとても住みやすい良い町ですよ、お年寄りが気軽に声を掛けて下さる子育てのしやすい所ですよとニッコリされた。
その言葉に、心の奥が温かくなった。
千載一遇、思いがけないことがあるものだ。