海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

四者協・CSSについてティダの会の名護市申し入れ 1

2009-06-26 19:45:02 | 米軍・自衛隊・基地問題
 5月の下旬にティダの会と新基地建設問題を考える辺野古有志の会は、名護市に対して「新基地建設に伴う辺野古地域に係る四者協議会と一般社団法人キャンプ・シュワブ・サポート事業協会(CSS)について説明を求める申し入れ」を行った。それに応えた名護市の説明が、去る6月3日に名護市役所2階会議室で行われた。四者協やCSSの問題について関心のある人が多いようであり、また、これは今後の辺野古新基地建設問題や名護市政のあり方をめぐる上でも重要な問題だと考えるので、以下にその時の名護市の説明とそれをめぐる質疑応答を紹介したい。
 当日、名護市からは末松文信副市長と玉城政光政策推進部長が出席して説明を行った。ティダの会からは大城、島袋、目取真、山城が発言している。なお、理解を助けるために一部に( )で言葉を筆者が補っている。また、テープの聴き取りが困難な箇所は(一部不明)としている。
 現在開会中の名護市議会においても、複数の議員がCSSについて質問を行っている。それに対し末松副市長は、設立に向けて準備中の段階ということを理由に曖昧な答弁を行っている。そういう意味では、以下のやりとりは四者協やCSSについて比較的率直に語られているかもしれない。テープ起こしに手間取ってブログに載せるのが遅れてしまったが、参考にしてもらえればと思う。

◇大城:我々の申し入れに対応の時間を作っていただいて、有難うございます。申し入れについては、前回から五ヶ月が経過してですね、アッという間に。その時はほとんど手つかずの状況であったと思うんですけど、四者協議会にしてもですね。その後にCSSの問題が出てきまして、追加項目としました。今日はこれらについてお答えいただく上で、私たちの追加の質問事項を説明をするときに、これを持った方が説明しやすいだろうということで、パネルを作ってきましたので活用していただきたいなと。
 それでは、市当局のお答えを聞いた上で、私たちの質問をやっていきたいと思います。
◇末松副市長:今日はどうもご苦労様です。先日、ご要請のあった件について一通りお答えいたしますと、四者協議会の設置ということですけれども、これについては一応そういう予定をして、色々と調整はしてるんですけれども、まだ設置にはいたっておりません。そういったことからこの①から⑥にかかることに関しましては、辺野古の皆さんと一緒に今後、議論しながら調整していきたいと考えています。
 それから次に、久辺地区についての再編交付金の件がございましたけれども、これは先だっての議会で審議していただきましたように、久辺三地域へのコミュニティ事業、いわゆるソフト事業ですけれども、こういったものとか、あるいは二見以北十区へのスクールバスの運行事業、そういった類のソフト事業に充当される資金です。
 それから二見以北に四者協を設置するのかということでありますけども、これにつきましても、いま四者協議会について準備はしているわけですけれども、それに参加させていく考えを持っているかということも、調整中であるということであります。
 それから、基地建設の補償金として一世帯あたり一億五千万円ということでありますけれども、そういったことについてですね、地元(辺野古区)から国に求めているという話はうかがっておりますけれども、このことについてですね、私どもとしては今、どうということは分からない…。
◇島袋:聞こえない。もう少し大きな声で言って下さい。
◇大城:分からないということですか?
◇末松:そうですね。国がどう対応されるかですね、それはお話しの中に入ってないものですからね、ちょっと具体的なことについては掌握していない。
 あと、追加のありました一般社団法人、いわゆるCSSについて、大城さんがパネルを準備していただいてますけど、これについて一通りご説明を申し上げたいと。
◇大城:副市長、みんなが持ってる資料にですね、事前に資料として渡してありますので。
◇末松:ああ、そうですか。
◇大城:説明していただければ、この図を見ながらできますので、よろしくお願いします。
◇末松:そもそもこのCSSを設置しようということについて少し説明しますとですね、この図にあるように各地域からの要請について、どう対応していこうかと色々苦心したところで、ここに示してありますように、左上の方に各地域からの要請ということで「久志三区」、これはいわゆる久辺三区ですね。このチャートで各地域からの要請ということで「久志三区」とあるのは久辺三区の間違いです。辺野古・豊原・久志の三地域を久辺といって、それで次に二見以北十区、これは二見から天仁屋までの地域で、そういった所からそれぞれに要請がきている。この要請についてどう今後対応していくか、ということが一つあります。
 もう一つはこの(図の)右側に、地元企業とか各種団体からのですね、要請があります。どういう要請かといいますと、いわゆる(新基地)施設建設にあたっての工事関係、あるいは資材をどう調達するのかとか、あるいは人材をどう地元から補充するのかとか、こういったことについてのですね。
 左側は言ってみれば地域の整備事業、あるいはソフト事業などの予定をしています。まあこれは多岐にわたっておりますので、これも整理しながら今進めています。
 これらの要請事項についてですね、名護市を含め県、国がどう地元に応えていくか、ということで検討した結果ですね、一つにはいま四者協議会がありますけども、個々に調整していたんでは時間がかかりすぎて、なかなか前に進まないということで、みんなが一緒に話し合いのできるテーブルを作った方がいいんじゃないか、ということで案としてですけれども、地元の皆さん、名護市、沖縄県、沖縄防衛局ですね、それと総合事務局が参加できるかどうか、まだよく分かりませんけれども、これらが参加した四者協を作る。そうすると上がってきた要請事項について同じテーブルで整理が早くできる、というようなことで、こういった組織を作ったらどうかと提案している。
 そして、この四者協で議論して、結果が得られないことについては、普天間飛行場の移設に係る措置協議会、これは官房長官が主宰している協議会ですけれども、そこに挙げていっておうかがいをしていく。こういう手法がいいんではないか、という考え方であります。
 他方、右側の一般社団法人キャンプ・シュワーブ・サポート事業協会とありますけれども、これは仮称でCSSと呼んでおりますけれども、こういう組織を作った方がいいんじゃないかと。で、この組織は何で必要かということですけれども、先ほど申し上げましたように、地元の企業の皆さん、団体の皆さんから要請を受けていることについては、この四者協で議論することに馴染まないということでですね。また企業、団体がそれぞれで要請活動しても、なかなか意思の疎通が図れないということもありまして、受け皿としての組織を作った方が、お互いの地域の利益につながるのではないかという観点から、一般社団法人という組織を作っていくことにしたと。
 これはなぜ一般社団法人かということなんですけれども、当初は株式会社であったり、第三セクターであったりという話もありました。けれども、昨年の暮れに法律改正がありまして、従来の利益追求型の株式会社とか、あるいは公益法人である社団法人、こういったものとの中間的な役割といいますか、いわゆる規制緩和の類で法律の改正がされて、従来の社団法人を一般社団法人化するということでですね、設置しようとしていた組織は利益追求型でもない、公益性も持たしながらオープンにしないと、これだけの仕事をやれるものではない。まずいだろう、評価を得られないだろうということもあって、たまたま一般社団法人という組織が法律で立てられたので、これを活用した方が趣旨にあっているんではないか、というようなことで。
 ここでその構成メンバーですけども、辺野古区、豊原区、久志区、そして名護漁業協同組合、北部地域振興協議会、そういう組織について名護市として、地元の要請がある中でサポートはしていく。こういう位置づけになります。
 下の方はさっき申し上げた普天間措置協議会、これは官房長官が主宰して、各大臣が出席いただいて、沖縄県知事、名護市長、宜野座村長、金武町長、東村長、こういう構成メンバーで協議会が持たれておりますけど、そういう中で協議する事項として、普天間飛行場に係る建設の計画に関すること、それから使用協定に関すること、地域振興策に関することということで、協議会で議論する項目はそういう中味になっています。それで現在、建設計画に関することについて協議されていて、環境アセス調査の準備書の段階に来ているということで、以上です。
◇大城:二枚目(の図)については?
◇末松:これは真ん中にキャンプ・シュワーブ・サポート事業協会とありますけれども、その構成メンバーが、理事ということで辺野古、豊原、久志、漁協、北振協、名護市。そして常務理事が必要だろうということで、この事務局の方が組織の運営にあたるということで。
 左側に繋げてあるこの大型工事受注者、スーパーゼネコン・地元大手ゼネコン、ここから発注関係の流れを示しているようでありますけれども、この図を見る限りは工事について防衛省からの発注になると。発注方式も色々あるわけですね。工事の(一部不明)によっては例えばWPOというんですか、国内だけじゃなくて、国際的な(一部不明)の参入によるものもあるだろうし、あるいは国内のゼネコン対応のものもあるだろうし、また国内のゼネコンと地元の大手とJV組ましてできることと、あるいは地元の大手だけでJVを組む。あるいは地元だけでJVを組んで受注するようにする。あるいは名護市でいえば名護市の特Aであったり(一部不明)であったりが、JV組んでできる事業。あるいは地元の企業が大手ゼネコンとJV組んでやる状況。あるいは単独で受ける状況。
 色々その工事によって発注方式が違うと思いますけれども、それで私どもとして今、防衛局にお願いしているのは、できるだけ地元が受注できるように、いわゆる分割発注みたいなものにすれば、工事費も少し落ちるので、地元が受注できるような工事になる。こういったことについては努力していただきたいということで、お願いを出していまして、その結果、沖防としてもできるだけ地元ができるようにということで、色々と工夫はされているのですけれども、それでもなお地元の企業を挙げて事業の受注を目指したいこともあってですね、できるだけ取ることができるような形でいくために、こういうふうにやっているということです。
 あと、例えば一般社団法人と左側のスーパーゼネコンと太い線で結ばれていますけれども、これはおそらくですね、スーパーゼネコンが直接請負しても、労務であったり、色んなことで地元と提携しないと仕事はできないと思いますね。そういう意味では、地元の企業からスーパーゼネコンに下請けさせてくださいと、こういう要請を個々にやるのではなくて、一般社団法人が受け皿となってやった方が、利便性も高くなって現実的ではないか。こういう意味での絵だと思います。
 そういったことで地元企業と(この図の)一番下にありますけれども、スーパーゼネコンから(地元企業に)くる仕事、あるいは防衛省から直接(受注)できる仕事、こういう営業的なことは、一般社団法人の構成メンバーとなっている企業の皆さんも連携を取りながらやっていった方が、効率的ではないか。こういうことで考えられた絵だと思います。

※写真は6月3日の申し入れの様子。

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