海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

県議会選挙から一週間

2008-06-15 21:41:11 | 米軍・自衛隊・基地問題
 先週行われた沖縄県議会選挙は、十六年ぶりに与野党が逆転するという結果になった。女性議員が史上最高の七人当選し、若手の上位当選も目立って世代交代を印象づけた。注目していた名護市と宮古島市では、そうぞう推薦の議員は落選した。県内紙は選挙の分析を連載しているが、仲井真県政にとって大きな打撃となったことは言うまでもない。ただ、問題はこの選挙結果を辺野古・高江への新基地建設阻止に具体的に結びつけられるかどうかだ。
 沖縄防衛局は、辺野古新基地の陸上部からの着工を、今月中に行うことを打ち出している。高江も今月までは鳥類の繁殖期ということで工事を止めているが、七月に入ればすぐにでも着工するかもしれない。V字型滑走路の建設位置を沖合に移動するしないをめぐって、政府と仲井真知事や島袋名護市長との間で対立があるといっても、辺野古に新基地を建設するという点では三者に何の対立もない。沖合移動の問題を針小棒大にとらえ、あたかも仲井真知事や島袋名護市長が政府の言いなりにならずに対峙しているかのように描き出すのは、着々と進行している新基地建設への動きから市民の目をそらすためのまやかしにすぎない。
 政府・防衛省・沖縄防衛局は、県議会選挙の結果を分析しながら、着工の時期を見計らい、段取りを進めているだろう。野党系議員への懐柔や抱き込み、取り引きも裏では行われるはずだ。辺野古については週明けにも陸上から工事が始まることを警戒しなければならない。
 議会の動向を監視すると同時に、具体的な阻止行動に取り組むことが市民には問われている。現地で阻止行動を行うことは大切だが、それがすべてではない。直接行くことはできなくても、それぞれの生活の場でできることは色々ある。あらゆる手を尽くして新基地建設を阻止したい。
 辺野古・高江への新基地建設は、在日米軍再編の柱の一つである。それだけに日本政府も強行的に工事を進めようとするだろうが、沖縄をこれ以上米軍と自衛隊の侵略拠点とさせてはならない。

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1 コメント

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Unknown (かむじゃたん)
2008-06-16 15:55:29
世代交代はよかったと思う。
民主にはびっくりしたが、
本籍保守だね、あの連中は。
そう、たしかに野党躍進は仲井真をゆさぶり、
喜ばしいが、直接「反基地」というわけでもない。
名護のYさんは、今後の働きに期待しましょう。
ああ、タクマが繰り上げになった。よかった。
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