「段落記号」の脇道へ、もうひとあし踏み入れます。
段落記号に使われている [Enter] キーのマークと同じかぎ型矢印は、東アジア用らしいのですが、最も多い欧米用はどういう記号になっているのでしょうか。
それは、paragraph mark と呼ばれ、q に似た何とも手の込んだ形をしています。
その記号の正体を探ってみると、言葉の上でも図柄としても paragraph とは関係がないので、q ではなさそうです。
paragraph の p を目に止まりやすく横向き反転させたという説も、こじつけが強すぎてはずれです。
この図形は、章を意味するラテン語 capitulum の頭文字と、ここが区切りという縦棒とが組み合わされてできたとする説がどうやら有力のようです。
ソフトウエアを使いやすくするための実用マークのデザインに、実際の表示と異なる部品が組み入れられると、ユーザーの頭は混乱します。
東アジア用の、かぎ型矢印と横向き矢印の組み合わせマークには、形は同じでも向きの違う部品があって、ややこしいものになっています。
形の似通った記号を「組み合わせる」という、デザイン形式上の手法にこだわりすぎて、こういうものが出来上がったと見るのは眇めでしょうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます