紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

きわものにかまれる

2007-09-18 10:58:26 | ノンジャンル
 先日、不覚にもムカデにかまれた。夜にTくんを駅まで迎えに行く車の中の出来事である。なぜか靴の中に入っており、信号待ちの手前で右足の甲に激しい刺すような(比喩でなくしっかり刺されてるって!)痛みが走り、もぞもぞと動く気配が。とにかく暗いのと浮「のと痛いので、心中はパニックホラー状態。永い間忘れ去っていた脂汗というものを、どっと思い出す。

 路肩に止めようにも後続の車がおり、そもそも交差点で駐車など、迷惑極まりない。仕方なく目と鼻の先の駅まで、激しく痛む足でそおっとブレーキやアクセルなどを踏みつつ運転を続行する。

 帰宅後すぐにアロエの葉をちぎり、ジューシーな果肉が出るよう縦に裂く。ジューシーなところを使って、腫れ上がった患部に擦り込む(痛かったのでおそるおそる)。すると、あら不思議、痛みがどんどん引いて行った。腫れもいくぶんマシになる。ハチでも毛虫でもアロエは毒入り虫さされには、たいへん良く効くのだ。

 ところがここですっかり油断してしまった。2日後には足の甲が真っ赤になり、抗い難いかゆみが押し寄せて来た。幾分緩和されただけで、しっかり毒は残っていたのだ。それでもさすがに赤い部分は毎日半分に減少してゆく。

 きのうKちゃんに「ムカデって、どれくらい痛いの?」と訊かれたので「ヤツガシラくらい。針で突いた位、痛い。しかも腫れるし」と彼女の同情を買おうと熱弁を振るう。
 「へええ・・・それはかなりのキワモノやな~」
おお、確かに!! ムカデはたいへんなキワモノである。

 しかし、そもそもキワモノって? 極端な性格を帯びたアブナイやつ、という認識をしていたが、念のために調べてみた。すると意外な事実に遭遇する。

 本来は「際物=入り用の季節の間際に売り出す品物」のことをいうらしい。例えば、正月の門松、桃の節句の雛人形、といった季節の物のことだ。
 またこうした物を扱う商売を「際物商売」と言い、“際物を扱えるようになれば一人前”ともいうほど、時期をはずせば成り立たない難しい商売なのだという。

 しかし、その時期を過ぎれば価値がなくなってしまうところからやがて、“一時的な流行をあてこんで売り出す品物”のことも「際物」と、いうようになったらしい。

 そういえば年がら年中ムカデはいない。梅雨から秋口という季節限定の、まさに「際物」。ちなみに「きわもの=変なやつ」という意味では、辞書には載っていないそうです。