最近の読み返して…
しかし、こころに刺さる…
また、一万円札に返り咲いてください
旧幕府の時代には、東海道に「御茶壺」が通るときには、みなその前に土下座した。
将軍の鷹は人よりも大事にされた。
幕府が使う馬には、往来の人も道を譲った。
すべて「御用」という二字をつければ、石でも瓦でもおそろしく尊いものに見えてしまっていた。
世の中では、ずっとむかしからこうした馬鹿げたことを嫌ってはいたが、しかし、自然にそのしきたりに慣れてしまったのだ。
上はいばり、下は卑屈になるという見苦しい社会的な空気を作っていた。
これらの慣習自体が尊かったのではなく、茶壺などの品物が尊かったわけでもなく、単に政府の威光で人をおどして、人々の自由を妨げようとする卑怯なやり方である。
内容のないただの空いばりだった。
今日に至っては、全国的にこうした浅ましい制度や社会的な空気というのはないはずである。したがって、皆安心して、仮に政府に対して不平があったら、それを抑えて政府を恨むより、それに対する抗議の手段をきちんととって遠慮なく議論するのが筋である。
天の道理や人の当たり前の情にきちんと合っている事だったら、自分の一命をかけて争うのが当然だ。
これが国民のなすべき義務というものである。
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