教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

恋のコモディティー化

2009-09-13 00:09:42 | オタネタ全般
『恋とは物欲である。』

・・・というと、いつにも増して言いたい放題な感じではあるが、今日のところはそう断言してみたい。
なぜなら、恋と物欲には共通点が多いからだ。



物欲とは、特定の物品を欲しがる欲求のことを指す。
恋とは、特定の異性を欲しがる欲求のことを指す。

物欲の悩みの解消には、特定の物品を与えてやれれば手っとり早く収まる。
恋の悩みの解消には、特定の異性を与えてやれれば手っとり早く収まる。



さて。
わたしは物欲には2種類あるように思っている。


その①
そうカンタンに手に入らない高額物品を欲しがる衝動。

たとえば高級車が欲しいとかブランドのバッグが欲しいとかいうのはこれにあたる。

それらは車やバッグの持つ性能に惹かれたのではなく、たいがいは値段が高いから所有欲をかきたてられて惹かれるのである。
もっと言えば、人がカンタンには買えないほどのレアな高額商品だから、それを持っていればステータスアイテム化するために人に欲しがられるのである。


その②
高額物品に限らず特定のカテゴリーのものを欲しがる衝動。

たとえばマイカーが欲しいとかパソコンが欲しいとかいうのはこれにあたる。
昭和の子供のアイテムでいうと、キン消しとかビックリマンシールとかもそれに近いかもしれん。

これらの物は単に持っていないから欲しいというものだろう。
レア商品でなく、どちらかというと商品的には①よりもコモディティー化(※1)しているものが多い。



では恋の話に。

恋の欲求をカテゴライズするとどうなるだろうか?

どう考えても①に該当するものだろう。

だれもが所有欲をかきたてるようなイイ男/イイ女を欲しがるのがキホンだ。
そしてそういうモノは競争率が高いから入手困難なレア商品(?)でもある。

なかには何でもいいから恋人が欲しいというところまで閾値を下げる場合もありうる。
その場合は②に近いかもしれん。
とはいえ、こういうのはかなり妥協しての言動であろう。



物欲の満たし方を考えてみよう。

②の場合はとりあえず買っちゃえばいい。
キホン的にコモディティー化しているので入手はカンタンだ。

①の場合はとりあえず買っちゃうわけにもいかないケースが往々にしてある。

独身の社会人ならかなりのモノはポイポイ買えるほど資金力はある。
学生や既婚子連れだとかなりキビシイかもしれん。
今すぐそれを満たせないとしても、とりあえずがんばってカネを溜めてそのうち買えば良い。

とはいえ、どちらにせよかなりの金銭的な対価を要求されるのは間違いない。
大概の場合は、たとえばレクサスLSを一括で買えるほどの資金力があったとしても、そんなものにカネを使うのはアホらしいと思い、物欲が対価に見合わないからもっと安いの、いわゆるコモディティー商品で済ますのがフツウである。

ようするに入手しやすい代替物で当面ガマンするという手段がとられる。

コモディティー商品は値段が全てなのでとにかくコストパフォーマンス(※2)が良い。
他の工業製品に比べると、たとえば完全にコモディティー化しているパソコンなんか、性能を考えたら値段はメチャメチャ安いと思う。



恋の満たし方はどうだろう。

恋の欲求は①だ。
確率的な意味で言えば、カンタンに入手することができないケースのほうが多い。

金銭的な対価を支払って満たす方法はたしかにある。
しかし、こういうのはかなりアレな労働を相手に強いるものなので、こちらが支払う人件費相当はかなり高額になる。
自分がモテる努力をして相手を探す努力をするのと、これだけの金銭を支払うのと、どっちがカンタンかなのかはかなり難しいものがある気がする。

ではどうだろう。
代替物で当面ガマンするという手段はとりうるだろうか?
対価に見合わないからもっと安いので済ますという手段はとりうるだろうか?

これはとりうる。

恋の欲求を満たすコモディティー商品を買ってくればいい。
はやい話、実在のねえちゃんでは高額すぎるから、絵に描いたねえちゃんを消費するということ。



わたしは思うところがある。

実在のねえちゃんにモテるようになるほど努力するのはアホらしい。
そんな高い服を買うカネや散髪に凝るカネがあったとしても、気分的にはドブに捨てているのと大して変わらない気がしてならない。
そんな腕前を磨く時間があれば、本でも読んでるか、アニメでも見てるか、昼寝でもしてるか、そんなほうが有意義な気がしてならない。
かといって金銭的な対価を支払って満たすにしても、高額すぎるのでこれはこれでアホらしい。

ところが!
絵に描いたねえちゃんならカンタンに手にはいる。
モテるようになるために努力するだけの時間やカネを他に回せる。
ついでにいうと、現物では見たこともないようなイイ女が手に入る。
コストパフォーマンスからいえばこんなに素晴らしいものはない。

絵に描いたねえちゃんはいわゆる量産品でもあるので、いわゆる恋の欲求をカンタンに満たすためのコモディティー商品だと言ってもいいだろう。
そして今日もまたわたしはロザリオとバンパイアの等身大ポスターを買ってしまい、またそれを眺めてニヤニヤして過ごすのである。
ところがニヤニヤして過ごすのにかかる費用はわずか2000円ほどしか消費しないのだ。

ついでにいうと、こんなにカンタンにイイものが手に入るのを知ってしまうと、もう現物に手を付けたいと思う気持ちが完全に失せてしまう。
努力を消費するにせよ、時間を消費するにせよ、カネを消費するにせよ、とにかく現物の恋愛はコストパフォーマンスが非常に悪い。



ただし、この方法にはデメリットもある。

コモディティー商品では、高級車やブランドのバッグのようないわゆるステータスアイテム化は行われない。
だから、②に近い形の恋の欲求は満たせるが、①に近い形の恋の欲求は満たすことができない。

ある意味、コストパフォーマンスを気にするような経済学的トレードオフの打算のほうが感情を上回るような人でなければ満足できないだろう。

ようするに、カネ無いのにフルローンでレクサスLSを買ってしまうような人には向かない。
そして、レクサスLSを一括で買えるだけのタマはあってもアホらしいから買わないと思っている人にはこれは向いている。

さああなたもコストパフォーマンスのよい2次元世界へと来たれ。



【※1 コモディティー化】

> ある商品カテゴリにおいて、競争商品間の差別化特性(機能、品質、ブランド力など)が失われ、主に価格あるいは量を判断基準に売買が行われるようになること。一般に商品価格の下落を招くことが多く、高価な商品が低価格化・普及品化することを“コモディティ化”という場合もある。
(以下略)

http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/commoditize.html



【※2 コストパフォーマンス】

> 価格性能比。
> ある商品に設定された価格の妥当性を形容する際に用いられる言葉。
> 価格に対して期待される性能(内容)と比べ、実際の性能(内容)が釣り合っているかそれ以上の場合には「コストパフォーマンスが良い」「コストパフォーマンスが高い」と形容する。
> 逆に、価格に対して期待される性能(内容)と比べ、実際の性能(内容)が劣っている場合には「コストパフォーマンスが悪い」「コストパフォーマンスが低い」と形容する。
> 類語として「対投資効果」がある。

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%C8%A5%D1%A5%D5%A5%A9%A1%BC%A5%DE%A5%F3%A5%B9



追伸:

ハヤテのごとく!S2の25話に、なかなかこうグッとくるセリフがあったので転載したい。

歩「でも、だったらヒナさんも告白とかしないんですか?」
雛「へ?」
歩「べつにそういうこと、私に気を使わなくてもいいんですよ」
雛「私は、告白とかしないと思うんだ・・・」
歩「どうしてですか? やっぱり私に気をつかって・・・?」
雛「うぅ、いや、その、言いにくいことなんだけど、自分から『好き』とか言うなんて、負けた気がして恥ずかしいじゃない!」
歩「・・・何ですかその子供理論は!?」
雛「大事なことよ、大事な! そりゃ向こうから告白してきたんなら考えなくもないけど、自分から言うなんてそんなの断固お断りよ!」
歩「あの、恋愛は別に勝ち負けの問題じゃないと思うんですけど・・・」